ニュースクリップ[-7/29]「物理五輪、灘高の2人が初の金メダル」ほか

国政選挙が行われた日の開票速報が、ちょっと好きなマイスターです。

さて、日曜日ですので、ニュースクリップをお届けします。

日本人で初の、物理五輪金メダル。
■「物理五輪、灘高の2人が初の金メダル」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070722STXKA011322072007.html
■「生物学五輪、愛知・岡崎高の本多君が銅 物理では2人が金」(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2007072302034840.html
■「化学五輪、日本代表4人の高校生が『銅』獲得」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070724ik21.htm

詳細については上記のリンクをご覧ください。
物理、生物、化学と、日本人の高校生達が大健闘。特に物理の「金メダル」は、日本人で初めてのことなのだそうです。

他の高校生達にとっても、励みになることでしょう。
おめでとうございます。

(各大学のアドミッションズ・オフィスは、こういった生徒をスカウトしに行ったりしないのでしょうか)

<参院選:科学政策はどの政党も低レベルだった?
■「理系白書2007:番外編 参院選公約の科学政策 「未来像なく論戦低調」」(MSN毎日インタラクティブ)
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070725ddm016040034000c.html

理系の人にはよく知られている「理系白書」で、参院選の特集をやっていました。

主要政党の参院選公約のうち環境や医療も含めた広い意味の「科学政策」について、安井至・国連大学副学長(環境科学)と角南篤・政策研究大学院大学准教授(科学技術政策)に評価してもらった。

(上記記事より)

とのこと。

結果は、なかなか辛口です。

「どの政党も本質的な問題に触れておらず、違いがあっても枝葉の部分。これでは評価が低すぎて採点不能です」と安井さんは嘆く。角南さんも「項目は多いが、優先順位が明確でなく、与野党の違いも明らかでない。争点にはなりにくい」と同様の見解。さらに角南さんは野党、特に民主党に注文を付ける。「対立軸や新規性をアピールできる野党の利点をほとんど生かせていない。小政党が年金などに主張を絞るのは分かるが、政権を狙う党なら実効性のある代替政策を打ち出してほしかった」

選挙公約を見る限り、各党とも科学への関心は高いとは言い難い。安井さんは「温暖化対策も医療・福祉も、50年後でも日本の経済基盤がしっかりしていることが大前提。それには科学技術こそ頼りだ。しかし、これから何で飯を食っていくのかという話がない。任期が6年と長い参議院なのだから、目先のことばかりではなく、未来像を描いて議論を戦わせてほしい」と話す。

角南さんも「国会で科学技術が取り上げられることはほとんどない。小選挙区制や参議院の役割なども考え直す必要がある」と提案する。

(上記記事より)

さて、マイスターがこのブログを書いている時点では、既に選挙の大勢が明らかになっています。
上記の科学政策の善し悪しが選挙にどの程度影響を与えたのかは、正直よくわかりません。ただ「環境」を除けば、確かにメディアはあまり科学政策を選挙の争点として扱っていなかったような印象があります。

大学「学長給与」ランキング。
■「阪大学長給与全国トップ、18年度 2位は東北大」(SankeiWEB)
http://www.sankei.co.jp/shakai/wadai/070726/wdi070726003.htm

大阪大が東京大を抜いてトップに-。今月公開された平成18年度の国立大学法人学長の報酬・給与で、阪大が前年度1位の東大を上回り、トップに躍り出た。文部科学省によると、学長の給与額で阪大が首位になったのは初めて。法人化前は、東大学長が国家公務員の最高額で、阪大学長は次のランクの額と定められており、阪大が東大を抜くことはなかった。阪大にとってはこれも法人化の成果?

18年度の学長の給与総額は多い順に阪大2482万円、東北大2479万円、京大2466万円、東大2340万円-で、東大は4位だった。ちなみに17年度は東大2482万円、阪大2461万円、京大2458万円-などの順だった。

国立大学長の報酬・給与は、法人化後もすべての大学が国の基準に沿って決めている。ただ、賞与の額に加え、人事院勧告による給与改定に伴い減った分を補償する「現給補償」を行うかどうかについては各大学の判断に任されているため、額の順位が上下するようになったという。

今回、人事院勧告を受け18年4月の給与改定で国立大学長の多くが約6.6%の引き下げとなった。しかし、阪大や京大などが国立大学法人の役員会判断で、緩和措置として現給補償をしたのに対し、東大はしなかった。このため基本給で東大と阪大との間に約70万円の差がついた。

(上記記事より)

というわけで、学長給与です。「東大が一位じゃなくなった」ということが報じられています。
世界的な評価や予算総額などでは東大の方が上とされていますが、上記のような「現給補償」の仕組みにより、このように順位が上下した模様です。

文科省のサイトに、詳細が発表されています。

■「文部科学省所管独立行政法人及び国立大学法人等の役員の報酬等及び職員の給与の水準(平成18年度)の公表について」(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/07/07062250.htm

iPhone人気で、大学キャンパスのシステムがダウン。
■「iPhoneトラフィック殺到で大学の無線LANがダウン、その原因は……」(ITMedia)
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0707/26/news018.html

iPhoneの発売から間もなく1カ月。フィッシング詐欺サイトからエクスプロイト情報まで各種セキュリティ問題に関する情報が飛び交っているが、米デューク大学ではiPhoneからのアクセス殺到で無線LANがダウンする騒ぎが起きた。セキュリティ企業のTrend Microが7月25日のブログで伝えている。

Trend Microによると、デューク大学では校内の無線LANにiPhoneからのリクエストが殺到し、無線アクセスポイント約30カ所が利用不能になった。ネットワーク管理者が無線LANトラフィックを調べたところ、iPhoneからのリクエストが毎秒1万8000件にも上っていたことが分かった。

同大では当初、問題の原因はiPhoneにあるとみていたが、その後無線LANシステムに使われているCisco Systems製品の脆弱性が原因だったことが判明したという。

(上記記事より)

大学のシステムをダウンさせるほどの人気なのですね。恐るべし、iPhone。

構想30年。日本の製造技術を教える大学がタイで開学。
■「30年越し、技術の学舎 タイの「泰日工業大学」開学」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/business/topics/TKY200707280013.html

自動車や電機産業など「ものつくり」にかかわるタイ人技術者を養成する4年制大学「泰日工業大学」が8月2日、バンコク市内で開学式を迎える。70年代から構想はあったが、資金不足などで先延ばしになっていた。それが97年の通貨危機の影響で大学用地が安く購入でき実現に至った。人材不足に悩む日系企業の期待を集めている。

(略)

教員は34人。日系自動車メーカーからの転職組など顔ぶれは様々。カリキュラムは、日系企業からのアンケートをもとに決めており、工場での研修も計画するなど実践的。日本語授業は必修だ。

京大卒で昨年までチュラロンコン大の工学部で教えていたクリサダー・ウィサワティラノン学長は「タイの大学は座学重視。当大学は即戦力を育てるという意味で役割が大きい」という。

(略)

今、日系企業が大学に注ぐ視線は熱い。タイに進出した製造業はこの30年で大幅に増えたが、「日本語が堪能な中堅幹部の人材不足に陥っている」(バンコク日本人商工会議所)実態がある。

ホンダ現地法人の武市信夫副社長は「品質向上のためにも、人材育成は最優先の課題だ」と話す。日系企業から奨学金として年間計1000万バーツ(約4000万円)の寄付と、800万バーツ分の教育教材が集まったのも、そんな日系製造業の期待感があるからだ。

(上記記事より)

日系企業の期待を集める、タイの大学です。

30年前に構想されたときには、まだタイで活動する企業はそれほど多くなかったのかも知れませんが、今は違います。
製造拠点を海外に移す動きが進む中、タイの人材に対する企業の期待は大きいようです。日系企業から集まった奨学金も、その期待を表しているのではないでしょうか。

以上、今週のニュースクリップでした。

今週も一週間、本ブログをごひいきにしていただき、ありがとうございました。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

マイスターでした。