世界最高速度のソーラーカー制作に挑む<大阪産業大学 × ナショナル>の取り組み

マイスターです。

学生のパワーは侮れません。
仲間同士で特定のミッションに取り組むときに彼等が発揮する爆発的な力は、やはりたいしたものです。

最近では、大学のイベントの企画・運営に学生の力を借りる例も増えているようです。受験生がより親しみを感じる存在だということもあるでしょうが、加えて、彼等のエネルギー量に期待するところも大きいのだと思います。

かといって、ただ「若くて元気」というだけの存在ではありません。
建築や都市計画を学ぶ学生がまちづくりに参画したり、経営を学ぶ学生達が地元の商店街で店舗を経営したり、芸術系の学生が地元でアート制作を行ったりと、大学で学んでいる専門分野が活かされるケースも多いと思います。
教育委員会との連携のもと、学生を地元の学校にボランティアやインターンとして派遣するという試みもあります。

(過去の関連記事)
・学生を「学校ボランティア」として地域の学校に派遣している大学!(2006年06月20日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50211456.html
・学生を「インターンシップ」で地域の学校に派遣している大学!(2006年06月21日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50211897.html

まさに、世の中に活力を注入することを期待されている大学生。

そんな学生パワーを活用して、ユニークなPR活動を展開する企業もあります。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「オキシライド乾電池の力で人を乗せた車は時速何kmで走れるか?
『OXYRIDE((オキシライド) SPEED(スピード) CHALLENGE(チャレンジ))』をスタート」(ナショナル)
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn070611-1/jn070611-1.html

■「OSUプロジェクト共育のオキシライドプロジェクト、パナソニックと共同開発」(大阪産業大学)
http://www.osaka-sandai.ac.jp/koho/topics/t125.html
————————————————————

ナショナルウェルネスマーケティング本部は、大阪産業大学と共同で、オキシライド乾電池を動力にした車でスピードの限界に挑戦する「OXYRIDE SPEED CHALLENGE(オキシライドスピードチャレンジ)」を6月11日よりスタートさせます。
オキシライド乾電池は従来のアルカリ乾電池よりパワフルで長持ちする乾電池で、デジタルカメラやモーター使用機器、玩具など特に大きな電流を必要とする機器への使用をおすすめしています。2004年4月にオキシライド乾電池発売以来、オキシライドを動力とする有人飛行機の製作など、乾電池の可能性・将来性を広げるべく様々な実証に取り組んでまいりました。
今回のチャレンジでは大阪産業大学と合同チームを結成し、車体の開発はソーラーカー開発において世界有数の技術を誇る同大学が担当いたします。そして、 2007年7月の完成を目標に制作。その後、走行記録会を実施し、「市販乾電池を動力とする世界最速の車」としてギネス世界記録にも申請を致します。

(ナショナルのプレスリリースより)

ちょっと読んだだけで、なんだかおもしろそう! と感じる取り組みです。
(マイスターはロボコンや鳥人間コンテストなどの取り組みが大好きなので、余計にそう感じるのかも知れませんが)

ナショナルの説明によれば大阪産業大学は、

学生が主体となったプロジェクト教育を産官学連携で展開し、地域に貢献する総合大学。中でも「ソーラーカープロジェクト」は国内外のレースで優勝多数、シルクロード横断成功などの実績を誇る。

……ということのようです。

このナショナル「オキシライド乾電池」は昨年も、東京工業大学の鳥人間コンテストチーム、その名も「マイスター」(笑)とと共同で、乾電池だけで有人飛行を達成するという取り組みを行っていました。

■Oxyride.jp -有人飛行プロジェクト-
http://oxyride.jp/top2006.html

ポスターやCMなどをご記憶の方も多いかも知れません。
こちらも取り組み自体のユニークさに加え、「大学と企業が総力を結集して困難なプロジェクトにあたる」というイメージが、製品および会社のPRとして、非常に効果的だったと思います。
飛行機制作チームのブログが開設されたりと、活動を盛り上げる仕掛けも意識的に用意されていました。

今回は、「ナショナル×大阪産業大学」という組合せで、最高速ソーラーカーの制作に挑むようです。

■OXYRIDE SPEED CHALLENGE
http://oxyride.jp/top.html

■「SOLARCAR 大阪産業大学 ソーラーカープロジェクト」(大阪産業大学)
http://solarcar.osaka-sandai.ac.jp/
■「オキシライド スピードチャレンジ 開発ブログ 大阪産業大学学生プロジェクト」(大阪産業大学)
http://oxyride-challenge.osaka-sandai.ac.jp/

達成された暁にはギネス世界記録に登録するそうです。

日本を代表する企業とのコラボレーションというのは、学生の皆さんにとってもいい話だと個人的には思います。

開発費などのスポンサーにはなってくれているでしょうし、挑戦の結果がメディアに出たりもします。
また、そういった社会的な約束事のもとで、期間中に成果を出すために物事にあたるという機会も貴重です。

そもそもこんな大企業が「他の誰でもなく、まず自分達のところに話を持ちかけてきてくれた」ということ自体が、普段からプロジェクトに取り組んでいる学生の皆さんにとって、大きな自信になることだったのではないかと想像します。

大学にとってのメリットは、言うまでもありません。
ナショナルのPR活動に乗るわけですから、広報効果は絶大なものがあります。

特に理工系の大学にとっては、こういった学生プロジェクトの印象は大変に重要です。活気のある大学、ものづくりに強い大学、技術力のある大学など、良いイメージを伝えることができるのは大きいです。
乾電池という製品の性格上、短期ではなくある程度長い期間、PRは続くと思いますし。

ちょっと特殊な「産学連携」のあり方だと思いますが、企業、学生、大学それぞれにメリットがあるわけです。
何より、楽しそうです。なんだか、見ている方をわくわくさせるものがあります。

こんな取り組みがあってもいいのではないでしょうか。

以上、マイスターでした。