マイスターです。
6月7日から、中国では大学入試が行われました。
日本でいうセンター試験のようなもので、報道によると今年は1,000万人近くが受験したとか。
しかし、受験生が直面する競争の激しさは、日本以上です。
【教育関連ニュース】—————————————–
■「過熱する大学受験戦争、『ハイテクのカンニング装置』も登場」(AFPBB News)
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2236651/1670727
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大学合格を目指して日々受験勉強に励むDuan Mengdiくんは、まだ18歳にもならないというのに、勉強疲れからすっかりやせ細ってしまった。7日から2日間の大学入学統一試験が始まる中国では、、1000万人近くの受験者がMengdiさん同様に、身をすり減らす思いをしているという。
「高考(gaokao)」と呼ばれる大学入学統一試験は、中国語では生涯を左右する重大な「試練」。教養あるエリート生活を送るか、一生を凡庸な市民で終えるのかが、この試験結果で決まるとされている。
1966年から1976年の文化革命により10年間中断されていた「高考」だが、復活してから今年で30周年を迎える。毎年夏に実施されるこの試験は、一方で子供たちの大きなプレッシャーとなっているとして、批判の声が高まりつつある。
国営新華通信社(Xinhua News Agency)が報じた最近の政府の世論調査によると、回答者の95%が「現在の大学入試システムのままでよい」と答える一方、93%が「システムを変えるべきだ」としている。
急速な経済成長を遂げる中国では、大学進学志望者が急増しており、今年の受験生は全国で950万人に上る。だが進学できるのは、そのうちわずか570万人。230人に1人という狭き門だ。
(上記記事より。強調部分はマイスターによる)
一回の試験で人生が決まるという認識が、まだ結構露骨に、社会の中に根付いているのですね……。
230人に一人しか大学に進学できないのでは、それもそうかも知れません。
しかも一人っ子政策のため、文字通り親の期待を一身に背負うことになった中国の受験生。なんだか、気の毒な気もします。
さて、毎年この季節に報道されるのが、中国の大学入試における、カンニングの多さ。
最近では、ハイテク電子機器を使用した、スパイのような手段も横行しているようです。
中国では近年、1人っ子政策などの影響で受験戦争が激化し、カンニングが横行。昨年の全国統一試験では、全国で3000人以上が摘発された。
手法は、カンニングペーパーや受験生がすり替わる「替え玉受験」など古典的なやり方に加え、一時期は携帯電話やポケットベルを使って問題の正解を文字で送り付ける形でのカンニングが流行。今年1月に実施された全国大学院生統一試験では、耳の穴の中にすっぽり入る超小型の無線イヤホンを使って正解を伝える手口も登場した。
これに対し、当局側は携帯電話の持ち込みを禁止したり、金属探知機や受信妨害装置を設置したりして監視を強化したが、事前に試験監督者にわいろを渡してカンニングを見逃してもらう受験生も現れるなど、カンニングする側が取り締まる側の一歩先を行く“いたちごっこ”が続いている。
そこで約11万人が受験する北京市では監視カメラの導入を決め、6日までに全会場への設置を終えた。試験会場の様子を広角カメラで映し、市と区、試験会場の3カ所で同時に監視しながら不審な受験生をチェックする。また、監視カメラの映像を録画して半年間保存し、カンニングを理由に入学を取り消す際の証拠として活用する。
(「禁カンニング カメラで監視 北京、受験会場4179カ所 中国の大学入学・統一試験」(西日本新聞)より)
このように、泥沼のようなカンニング合戦が繰り広げられている模様です。
ところで上の記事ではカンニングの主語が「受験生」になっていますが、高価な機器を買ったり、試験監督を買収したりといった行為は、高校生だけではできないはず。
おそらく、「親心」でこうした不正行為にお金を投資してしまった保護者が、少なからずいるんじゃないかと思われます。
他、中国での大学入試の話題としては、↓こんなところです。
■「天津地下鉄、受験期間中の受験生の利用をタダに」(エクスプロア天津)
http://www2.explore.ne.jp/news/article.php?id=6243&r=tj
一種のキャンペーンでしょうが、受験生の乗車を無料にしてしまうというのは大胆です。
■「中国、大学受験の開始で、『状元餅』が売れる」(人民日報社)
http://www.people.ne.jp/2007/06/08/jp20070608_72103.html
あやかり系の商品です。こういうのは、日本にもどっさりありますね。
ちなみに受験生の大学選びで重視されているのは、↓このあたりだとか。
■「北京雑記 『白領族』大学進学の決め手は就職」
http://www.janjan.jp/world/0705/0705246034/1.php
うーん、大学選びは、けっこう現実的ですね。
最後に、気になる話題を一点。
■「中国でも『はしか』激増、広東では成人の発症が7割に」(中国情報局)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0606&f=national_0606_008.shtml
日本と同じく、成人のはしか発症者が急増しているようです。試験会場で集団感染する危険もある……かも。
何か、対策を打った方がいいような気がします。
というわけで今日は、中国の大学入試のニュースをご紹介しました。
以上、マイスターでした。
今回のブログですが、引用した記事の数字に間違いじゃないのかという疑問があります。中国の受験生950万人に570万人合格するんだったらおよそ2人に1人は合格しているはず。それなのに230人に1人の狭き門だというのはちょっと狭すぎるんじゃないでしょうか。また、中国政府の世論調査について大学入試はこのままでいいと言う人とアカンって言う人の調査の数字も足したら188%になってしまいます!?初めてコメントするのに文句ですいません。でもマイスターさんのブログ見るのが日課になっているので仕事にブルグにがんばってください。