ニュースクリップ[-6/3]「『世界90位のソウル大なんて』 優秀高校生の外国大直行が増加」ほか

念のため、はしかワクチンを打ったマイスターです。

これで麻しんと風しんは来年以降も大丈夫、なはず。

さて、日曜日ですのでいつものように、一週間の教育関連ニュースの中から、いくつかを選んでご紹介したいと思います。
今週は普段と少々趣向を変えて、ぜんぶ国際ニュースにしてみました。

【韓国】
■「『世界90位のソウル大なんて』 優秀高校生の外国大直行が増加」(中央日報)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=88042&servcode=400&sectcode=400

……米国の「アイビーリーグ」(東部名門私立大グループ)に直行する優秀高校生が増えている。教育部が国会予算決算委の姜吉夫(カン・キルブ)議員に出した「ソウル・京畿(キョンギ)15外国語高校の大学進学現況」によると、留学生は05年102人、06年157人、今年195人だった。 2年間で2倍に増えている。

民族史観高は今年81人が外国の大学に合格した。 05年の28人に比べて大きく増えている。特にデウォン外高では今年77人が外国の大学に直行した。 ソウル大進学者(64人)よりも多い。うち米国大学評価(05年)でトップ10に入る名門大の合格者は39人だった。

プリンストン大3年のシム・ヒョンソクさん(20、民族史観高卒)は「04年入学当時は韓国から来た留学生は10人にもならなかったが、現在は30人以上に増えている」と話す。 エール大2年のキム・ジンソさん(21)は「韓国人学生が毎年増えている」と語った。

優秀学生が‘SKY’に背を向ける理由は国内大学の競争力が落ちるからだ。ソウル大は英ザタイムズ紙で05年(93位)に初めて100位以内に入り、昨年は63位に上がった。シンガポール国立大(19位)、中国北京大(14位)に比べてはるかに低い水準だ。延世(ヨンセ)大、高麗(コリョ)大は100位以内に入っていない。

国内名門大の優秀学生が一学期だけ通った後、留学の道に切り替える傾向も目立っている。 ハーバード大に通うキム・ヒョンホさん(20)は「国内名門大に一学期だけ通った後、退学してハーバードに来る学生は1年に2-3人いる」と伝えた。

ソウル大自然大からは今年5人が退学した。ソウル大の呉世正(オ・セジョン)自然大学長は「英才班の数人の学生が米国に留学すると言ってきたが、何とか説得して残ってもらっている」とし「優秀高校生が海外大学に直行するのは国内教育水準の低下につながる深刻な問題」と語った。呉学長は「その間ソウル大が英才だけを入学させ、その後は放置してきたという点は事実」と語った。

国内入試制度の画一性も海外直行の理由になっている。 民族史観高卒留学コースのソン・ウンジュ教師は「学生が修学能力試験のための勉強、反復式の学習に嫌気を起こしているようだ」と語った。

(上記記事より)

高校生の側からすれば、より優れた教育、より評価の高い教育を選択できる良い時代なのでしょう。一方韓国の政府や大学の側からすれば、大問題以外の何者でもありません。なんだか身につまされる話です。

日本もこうならないという保障はありません。今のところタイムズ紙のランキングなどでは、東大などいくつかの大学は上位に食い込んでいますが、「海外の大学に入学した方がいい」と判断する若者は増えているでしょうし。

【アメリカ】
■「米名門シカゴ大学に1億ドルの寄付、匿名の卒業生から」(CNN)
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200706010033.html

米国の名門シカゴ大学に、匿名の卒業生から、過去最高額となる1億ドル(約121億円)の寄付が寄せられた。寄付したのは1980年代の卒業生で、寄付金は在学生の援助基金となる。

オデッセイ奨学金と名付けられた。年収額が低い約800人に、学費として全額支給するほか、約400人に一部援助する。同学の学部生は約4400人。

(略)ロバート・ジマー学長は、「寄付してくれた卒業生は、ここで受けた教育で、人生が大きく変わったとしている。寄付で、金銭的なことに悩まず、学業に専念できる環境を整えたい、とのことだった」と話している。

(上記記事より)

匿名で121億円!
額の大きさもさることながら、学部生の5人に1人が学費を全額支給されるという、使い方もすごいです。
80年代の卒業生ということは、まだそれほどご高齢というわけでもないような気がしますが、起業家の方とかでしょうか。真相は不明です。

↓ちなみにビックリ寄付額の記録としては、日本も負けていません。

(過去の関連記事)
・南山大学に180億円の寄付者、現る!(2006年09月09日)
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50241958.html

【イギリス】
■「英、官僚教育にiPod導入 低コスト&通勤時間を活用」(SankeiWEB)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/europe/070526/erp070526001.htm

英内務省が幹部研修用機材として試験的にiPodの導入を決めた。専門家らの指導の下で行う従来の研修プログラムよりも低コストで効果が上がるとの判断からだ。ただ、個人の趣味で利用するとなると批判を浴びることになるが、そこは「厳重に監視する」(内務省報道官)という。官僚教育も「E教育」の時代を迎えつつあるようだ。

iPodを研修用に支給されるのは内務省の高官20人で、コストは計約8800ポント(約213万円)。3分から5分の研修用ビデオ映像を50件ほど記憶させることができ、レベルに応じてソフトを入れ替えて使用する。通勤時間帯に使い、ひと通りの研修が終われば、iPodを返却する。

(上記記事より)

イギリス政府の幹部が、iPodで研修を受けているようです。
どこの国でも、どんな組織でも、幹部の方の研修コストには結構な額がかかっているのではないでしょうか。そういった部分をいかに効率よく、効果的に進めるかというのは、重要なテーマだと思います。

イギリスでは「通勤時間帯に使う」とありますが、日本では導入しないのでしょうか。中・長距離電車通勤の文化がある日本でなら、なお効果が見込めそうな気がするのですが。
(「通勤中に研修を受けろと言うなら、その分の手当を出せ」なんて意見で反対されちゃうのかな)

【中国】
■「教育省、大学生に株取引の自制呼びかけ」(AFPBB News)
http://www.afpbb.com/article/economy/2230611/1631563

中国の教育省は、好調な国内株式市場で売買をしようとする大学生に対し、株取引きを行わないよう求めている。国営通信社の新華社(Xinhua)が25日に伝えた。

同通信社の報告によると、同省のWang Xuming報道官は25日夜「大学生の本分は学業と仕事に必要な基盤作りであり、株式投資を行うことは適切でない。貴重な時間と労力が浪費される」と発言。同省は、多くの学生が活況な株式市場に資金を投じていることに警戒していると続けた。

(上記記事より)

他の国ではあまり見かけなさそうな報道です。
社会問題化するくらい、大学生が株取引に熱中しているということなのかも知れません。経済成長著しい中国ならではの話題、でしょうか。

社会に対する不満を抱きがちな大学生に経済力を持たせたくないという思惑もあるんじゃないかな、なんてことも思ったり。

(過去の関連記事)
・悩み、暴れる、中国の大学生達 (最近の報道から)(2006年06月22日)
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50212258.html

「ナイジェリア」
■「ナイジェリアの大学入学試で、約2000人が携帯電話でカンニング」(AFPBB News)
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2233651/1647614

ナイジェリアで行われた大学入学試験で約2000人の受験生が携帯電話をつかったカンニングで捕まるという事件が起きた。1日、ナイジェリアの複数の新聞が伝えた。

入学試験は4月に行われ、85万4439人が受験した。入試実施団体の責任者Dibu Ojerindeさんがディス・デイ(This Day)紙とザ・パンチ(The Punch)紙に語ったところによると、携帯電話を使ったカンニングで捕まった受験生が1948人になるという。

ほかの手口も含め、何らかのカンニングをしたとして捕まった受験生は、4万43人にも上ったという。さらに、筆跡の違いから2万1466人に不正受験の疑いがあり、調査が進められている。

また、299人の試験監督と外部の人間が不正受験に関与したと思われる。

(上記記事より。強調部分はマイスターによる)

85万人という受験生の数はすごいですね。
ただ、そのうちカンニングで捕まったのが4万人ってのは、比率として随分と高いような……試験を受けたら、同じ教室で何人かが必ず捕まっていたぞ、くらいなのでは。
「試験監督と外部の人間」の不正関与も多いですね。金銭などの見返りを受けてということでしょうか。

何もかも、規模が大きいです。ナイジェリアの入試。

以上、今週のニュースクリップでした。

今週も一週間、「大学プロデューサーズ・ノート」を読んでくださいまして、ありがとうございました。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

マイスターでした。