大学院生のためのフリーペーパー「アカリク」

マイスターです。

おもしろいメディアができたみたいです。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「大学院と企業を結ぶ、大学院生のためのフリーペーパー『アカリク』」
http://www.acaric.jp/
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【アカリクとは?】

「院生の持つ高い能力を社会で活かすためのきっかけを作りたい」
 そんな想いから作られています。
「研究職以外の選択肢がイメージできない?・?・?・」「自分の能力の活かし方を知りたい」
 そんな悩める院生に贈る!
「アカデミー(大学院)」と「リクルート(就職)」を結ぶフリーペーパー。

【内容は?】
 メインはインタビュー記事です。
 その1:院生を積極採用している企業とそこに内定した院生との対談
 その2:リクルートとアカデミーの両方の世界をよく知る院卒の社会人からのアドバイス
 その3:企業活動を通じた社会への利益還元をしっかりと考えている企業の話

(「アカリクとは?」より)

というわけで、大学院生のための就職情報誌ができたみたいです。

正確に言うと、フリーペーパーです。
どのように流通させるのか詳しく存じ上げませんが、各大学の大学院に配られたりするのでしょうか。

実にマニアックな媒体です。でも、確実にこういった情報を求めている人が一定数いるでしょうから、目の付け所はおもしろいと思うのですが、いかがでしょうか。

大学院生向けに特化されたメディアというのは、学術情報をのぞけばあまり世の中に存在していません。就職についても同じです。大学院生と学部生では就職活動がどう違ってくるのか、キャリアはどう考えるべきなのか。自分が大学院生のときは、そのあたりが今ひとつ、ピンと来ませんでした。
ですから大学院生というのは、もしかすると学部生以上に、将来についての不安を感じがちなのではないでしょうか。
(専門領域にもよるのでしょうが)

ですから自分が大学院生の時にこういうメディアがあったら、すごくありがたかっただろうなと思います。
「みんな、就職についてどう考えてるんだろう」ということがわかるだけでも、ちょっと安心できるような気がします。

この雑誌を発行しているのは以前の記事でもご紹介した、大学院生に特化した職業紹介会社「DFS」です。

・大学院生に特化した職業紹介会社(2006年12月15日)
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50272393.html

■DFS
http://www.d-f-s.biz/

「大学院生のキャリア設計」というのは、日本では今まで見過ごされてきた領域です。大学院生の方にも、受け入れる企業の方にも、十分な情報がありません。そのため必要以上に悩んでしまったり、企業とミスマッチを起こしてしまったりという問題が起きていました。誰かがちゃんと情報をまわして、問題を整理して、関係各所をつないでいけば、大学院のあり方はずいぶん変わるんじゃないかと思います。

DFSも、そんな流れの中で「アカリク」を立ち上げたのかなと推察します。

で、実際に一冊、マイスターの手元にも「アカリク」があるのです。
全体の雰囲気は「R25」に似ているのですが、やはりターゲットが「大学院生」に絞られているため、記事の構成が独特です。

たとえば企業のトップや人事担当者と、そこに就職した大学院修了生とに対するインタビュー記事や、大学院卒のビジネスマンによる大学院の存在意義などが語られています。なかなか興味深いです。
ベンチャー関係の方の話も多く、大学院生の方の関心を引きそうです。

ほかにも、「仮面座談会 ~文系院生モヤモヤ語る~」なんて記事が載っています。文系大学院生の問題は、このブログでも何度か取り上げてまいりましたが、やはり当事者達の言葉はリアルでおもしろいです。
読んでいて、「そうなんだよなぁ」と共感する部分もあれば、「それは甘いなぁ」と思う部分もあります。自分も大学院生の時はこんなふうに考えてたなぁ……と、ちょっと懐かしく感じたりもしました。

日本学術振興会特別研究員DCの「リアルな生活費内訳」とか、63歳の大学院生によるコラムとか、ほかではお目にかかれない記事もあります。

院生に対するアンケート結果を紹介する記事では、

「大学院に進学すると、今期は遅れる?」
「結婚に研究者の卵はアリ?」
「結婚しても研究は続けたい?」

……なんて質問が。

さらに、

「結婚式に教授を呼びたい?」

……なんて質問も!

でも、「もちろん呼びたい」と答えた方が多くて安心しました。

これ、院生だけでなく、指導する教員や就職課、大学院課といった人たちにも役立つ雑誌かもしれませんね。
ポスドク問題の解決を考えている文科省の方とかにも読んでいただくといいかもしれません。

このほか詳しい内容については、実際の誌面をご覧ください。
冒頭のアカリクのサイトから、設置に関するお問い合わせができるみたいですので、興味のある方は質問してみてはいかがでしょうか。

以上、マイスターでした。

2 件のコメント

  • アカリク制作に関わった者です。
    詳しく取り上げていただけて、本当に嬉しいです!!
    7月発行の夏号も準備中ですので、よければ次号も手にとっていただければ嬉しいです。