ニュースクリップ[-4/8]「信州大が独自チャンネル」ほか

マイスターです。

この季節らしいトピック(?)の記事を見つけました。

■「大学の入学式に親もついて行く?」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/life/pop/20070404ok09.htm?from=os1
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2007/0212/118847.htm

学生、保護者、大学職員、様々な立場の方がコメントを書き込まれていますが、おおむね「別に参加しても良いのでは」というご意見が多いようです。

さて、今週も日曜日になりましたので、一週間クリップした中から、いくつかを選んでご紹介したいと思います。

大学生によるテレビ番組が好評。
■「信州大が独自チャンネル」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20070328ur01.htm

以前の記事↓で、地元CATVに専門チャンネルを解説する信州大学の動きをご紹介しました。

(過去の関連記事)
・信州大学が、地元CATVに専門チャンネル開設(2006年08月25日)
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50236737.htm

そうして昨年10月からスタートした「信州大学テレビ」が、順調に放映されているようです。

番組は、医学部付属病院の医師が出演する市民健康講座などの堅いものから、キャンパス生活や飲食店、音楽の紹介、バラエティーまで内容も様々。地元のテレビ松本ケーブルテレビジョンで、毎日午前10時から午後11時(日曜は午後10時)まで、1日30番組以上が放送されている。

制作は、サークルやゼミを母体に、人文、工学、経済の各学部の学生グループが担当。全員素人だったため、最初は、テレビ局のアナウンサーやカメラマンの指導を受けたり、著作権の取り扱いを学んだりした。

学部によって番組にも個性が出て、「経済は楽しい路線。人文は哲学的。工学はまじめな印象」(信州大広報・情報室)。安くておいしい店を紹介する「ハラペコ☆キッズ!!」では、出演する学生が人気者になった。

図書館館長室などをスタジオに、パソコンで編集作業を行う。15分番組制作にも、撮影に2日間、編集作業に20時間かかるため、徹夜作業も当たり前だ。

新年度から留学生のグループも番組作りに参加。1年生対象の「放送番組制作ゼミナール」も開講する。
(「信州大が独自チャンネル」(読売オンライン)より)

↓こちらが信州大学テレビのwebサイトです。

■「SUTV 信州大学テレビ」
http://www.shinshu-u.ac.jp/tv/index.html

番組構成はバリエーション豊かで、よく考えられているなぁと感心させられます。
何より、作っている側が楽しそうです!
毎日朝から晩までの番組を制作するのですから運営側は大変だと思いますが、教育上の効果は高そうです。

視聴にはケーブルテレビ用の機器が必要になるため、まだまだ視聴者は少ないとのことですが、非常に興味深い取り組みです。

利害一致で、企業が機材と講師を提供。
■「武蔵大学と日本IBM、IT基礎教育授業の企画・運営で協業」(NIKKEI NET プレスリリース)
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=156931&lindID=5

武蔵大学(学長:平林和幸)と日本アイ・ビー・エム株式会社(社長:大歳卓麻、NYSE:IBM、以下日本IBM)は本日、同大学が2007年度に学生向けに開講するIT基礎教育授業の企画・運営で協業することを発表しました。武蔵大学は2007年9月から開始する経済学部での情報基礎教育を目的とした授業を、日本IBMの協力のもとで実施します。日本IBMは、この授業に対して、企画段階からのコンサルティング、講師派遣、ならびに学生が使用するIBM製品の無償貸与などの支援を実施します。
(上記記事より)

教育機関では、しばしばこうした協働が行われます。
学校の方には、安価に最新の機材を使用できる、企業側から講師を派遣してもらえる等のメリットがあります。

また、学生に自社製品を使ってもらう、自社製品に慣れてもらうということは、企業の側にとっても大きなメリットです。

「IBMアカデミック・イニシアティブ」は、全世界のIBMで展開する産学連携活動「ユニバーシティ・リレーションズ」における取り組みの一つで、高等教育機関へIBM製品を提供することでIT教育の機会を提供、展開するプログラムです。日本では2004年から、IBMソフトウェア製品の大学への無償提供を展開していました。今回はさらに、システムi事業部を中心にした「IBMアカデミック・イニシアティブ for System i」として、日本IBMで初めて大学と“協業型”での授業展開の実施といった実践的IT教育支援へ、これまでの取り組みを拡大するものです。
(上記記事より)

マイスターはアメリカの小学校を訪問してまわった際、校内のパソコンすべてが企業からの無償提供という例を何度か見ました。
そのうち日本の大学でも、「教育のための機器は無償で借りるのが当然」ということになったりする? のかもしれません。

学ぶことに積極的なベテラン層。
■「元校長の橋本さん、78歳で修士の学位」(福島放送)
http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=2007032723
■「地域 : 伊藤博夫さんが75歳で信大大学院修了」(長野新聞)
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=6680
■「京都伝統工芸専門学校で放送大学の学位 64歳男性、卒業証書に感激」(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007032900184&genre=F1&area=K40
■「71歳が数学博士号、難解方程式で新発見」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070310STXKF088309032007.html

卒業や入学といったニュースが飛び交う季節ですが、この春は、上記のようなベテラン層の方々に関する報道をよく見かけました。
皆様に共通するのは、学ぶ意欲の旺盛さです。学ぶことに終わりはないと言いますが、実際このように大学という場でそれを実践されている方々のお話を耳にすると、自分も見習わないとなと思います。

国外への外注は何のため?
■「IT技術者は“不足していない”は本当か?――米デューク大学調査」
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0704/06/news002.html

ハイテクやIT関連の仕事を海外にアウトソーシングしている米国企業の立場を擁護する議論としてよく耳にするのが、米国の数学・科学教育システムが、企業のニーズを満たすのに十分な数の技術者を供給していないという主張だ。

しかしデューク大学の最近の研究では、この主張はでたらめだとしている。米国には技術者不足という状況は存在せず、オフショアリングはコスト削減が目的だという。

(略)デューク大学が2005年に行った研究では、インドと中国では米国と比べて12倍の数の技術系卒業生を送り出しているという従来の神話に修正を加え、米国の技術系卒業生の数は両国に匹敵すると指摘した。
(上記記事より)

特にITサービス分野などで、インドや中国が欧米および日本からのアウトソーシング先になっているという話はよく聞きますね。

アメリカでも、そうした海外へのアウトソーシング(オフショアリング)は盛んに行われています。ただ、高度な技術開発に関する外注となると、安全保障等の点で問題があり、慎重論も根強いのです。そこで「国内では十分な技術者が足りていないから、外注はやむを得ない」という論理がしばしば持ち出されたりします。

ところが、デューク大学の調査では、どうもそうではないらしい、とのことです。コスト削減が目的だとか。
アメリカの国際競争力低下に関する予測や、それについての対策案なども盛り込まれているようで、とても興味深いレポートです。

政治家や産業界の利害もあれこれ交錯していそうです。

愛国心と入学資格。
■「独島守って大学に進学」(中央日報)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=86011&servcode=400&sectcode=410

「独島(ドクト、日本名・竹島)」を守る受験生は、08年から専門大学(短大)の特別選考に志願できる。また、既婚者として親を扶養している受験生も志願できる。

韓国専門大学教育協議会は29日、こうした内容を盛り込んだ「2008学年度・専門大学入学選考計画」を発表した。大邱(テグ)産業情報大学は「大学別の独自の基準による選考」によって「独島関連の各種行事に参加した経験のある者、または活動者」に限って、学校生活記録簿と面接をもとに選抜する方針を決めた。

人員制限はなく、各学科別に人員を調整する。ペ・チョルホ教務処長は「最近、日本で竹島の日を制定したり、歴史教科書の内容をわい曲すること動きが続いている状況で、愛国心を高めさせる意図から準備したもの」とし「独島に関連したコミュニティーに加入、活動する人々にも十分志願資格がある」と伝えた。
(上記記事より。強調部分はマイスターによる)

教育を受けるための条件に、「愛国心を高めさせる意図」とを結びつけているとのこと。それも、「韓国専門大学教育協議会」という公的な機関が打ち出した方針だとのことです。

日本でも、愛国心教育については色々と議論が起きています。
国や故郷を想う気持ちを持たせるのは結構ですが、それが果たして適切なやり方なのかどうか。一歩引いた視点で見てみることも大事ではないかな、なんて思ったりします。

以上、今週のニュースクリップでした。

アメリカに留学された方に聞いた話によると、大学では「入学式」にあたるセレモニーがない場合も多いようです。
しかし卒業式(ガウンを着て帽子を上に投げたりする、例のアレ)では、遠く離れたところに住んでいる家族もキャンパスにやってきて、子供の卒業を皆で喜び合ったりするのだとか。
国によって、入学式や卒業式のとらえ方にも違いがあるようです。調べたら面白そうですね。

今週も、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

マイスターでした。

1 個のコメント

  • 日本では、卒業式より入学式の方が親に喜ばれるのは、入学は難しいが卒業はやさしい、という大学事情の反映なんでしょうね。