年度末、新学期に備えるための忙しさもピークでしょうか。あるいはそれも峠を越え、嵐の前の静けさの中、一息ついていらっしゃるところでしょうか。
昼、職場近くの公園で弁当を食べながら、全国のキャンパスで働く皆様のことを、とりとめもなく考えていたマイスターです。
webプロダクションから大学に転職したのが2004年11月。だから大学職員になって、もう2年と5ヶ月も経ったことになります。
諸先輩方からは「たった2年だ」とお叱りを受けるかも知れませんが、どうもマイスター、この2年が、10年くらいに感じられてしまうのです。
離職率の高いネット業界から来たせいでしょうか。いや、毎日ブログを更新しているからかも知れません。
(さきほど調べてみたら、昨日まで695日連続ブログを更新しているとわかりました。その間、737件のエントリをアップしています)
この2年5ヶ月の間、様々な方とお会いする機会を得られました。
一番多かったのは、やはり同業である大学職員の皆様との出会いです。
大学職員の勉強会や懇親の席で、「え、あなたがマイスター!? ブログ読んでます!!」なんて言われたときは、いつも嬉しいやら恥ずかしいやら緊張するやらです。きっと、このように声をかけていただけるということは、書いている本人が思う以上に幸福なことなんだろうと思います。
* * *
この人はすごい!と思える職員の方にも、ブログのおかげで(?)、たくさん知り合うことができました。
アドミッション分野でスペシャリティを発揮しつつ、学術研究の分野でも精力的に活動されていたある職員の方は、他大学にヘッドハンティングされ、今ではアドミッションの専門職、兼準教授です。マイスターもことある事に相談をさせていただきましたが、いつお話しても、元気が出ます。
ある方は、国際交流の分野で広い人的ネットワークを構築され、ネットで様々な情報を発信されています。今後、さらに活動範囲を拡げられるようで、そのバイタリティに驚かされます。
中央省庁の官僚を辞し大学職員になられ、その知識量を高等教育のためにますます活かそうとしておられる方もいます。お会いする度、身の引き締まる思いがします。
ライブラリアンとして大学に貢献しつつ、専門の学会で発表したり、他大学で講師として教えたり、という方もいます。今ではマイスターの良き相談相手です。
せっかく専門知識を蓄えてきたのに、全然畑違いの分野に異動させられ、それでもくじけず、またゼロから新たな分野に全力を注いでおられるという方もいます。
学内に保育園をつくるべく献身的に働き、そのプロジェクトを短期間で実現まで持っていった方もおられます。
みなさんの仕事ぶりに、いつも敬服しています。
また幸せなことに、マイスターと同年代の職員にも、すごい人間が少なからずいます。
ある方はインターネットで全国の大学職員をつなげようという試みを実践されており、現在600名以上の職員が参加する、すばらしいネットワークを作り上げています。
彼の構想力とそれを実現する行動力は、今後の業界にとって大きな財産になるはずです。
ある方は、若手の勉強会ネットワークを組織し、定期的にゲストを招いて有意義な機会を提供してくれています。毎回、大学の垣根を越え数十名の職員が参加する、大きなネットワークになっています。マイスターも何度か参加していますが、非常に貴重な場だといつも感じています。
大学職員から企業の側に転身し、その後、また母校に呼び戻されたという方もいますその分野のスペシャリストとして、今後ますます業界のために貢献されることでしょう。
財務分野のプロもいます。彼がいるのといないとのではコストの抑えられ方が全然違うんじゃないか……といつも感じます。
他にも挙げればキリがありません。同年代にも、こうして活躍している人間がいるんだなと思うと、元気が出ます。
また、直接お会いできてはおりませんが、「大学職員.network」にアクセスすると、
企業のコンサルタントを兼務するスペシャリスト職員、
留学生達から信頼を集めている留学生支援の専門家、
学内の若手職員を集めて企画をまとめ、大学トップ層を動かした方、
……等々、さらに多様な人材が、この業界で働いていることがわかります。
こうして書いてみると、なーんだ、大学職員の世界も実は人材豊富じゃないか、安泰じゃないかと思えます。
上記で挙げた以外にも、民間企業で長く活躍した後に転職され、大学の現場を変えようと奮闘しておられる方々も大勢おられますし、母校のためにたたき上げで努力を重ね、周囲から信頼を得ながら日々戦っておられる方々もいらっします。
今後はさらに、「アドミニストレーター」という言葉で表現される、プロフェッショナル職員が多く活躍するようになってくるはずです。
大学職員が、あこがれのプロフェッショナルな職業として認知される日は、案外近いのかも知れません。
(現在も採用時の競争倍率は高いのですが、それは「高給、安定、公共っぽい」という要素によるところも大きいと思います)
「大学職員」は、あまり知られていないけど、優秀な方々もいる、なかなか魅力的な職業なんだよなと改めて思います。
ただし。
上記でご紹介したような方々が活躍できるような環境が現時点でそろっているかというと、残念ながらまだまだではないかとも思います。
マイスターが知っているスーパー職員の多くは、周囲の理解が十分でない中で孤軍奮闘していたり、将来のキャリアに悩んだりしています。がんばればがんばるほど周囲から浮いてしまって辛い、という方もおられます。
大学職員の皆様が働く現場の風通しを良くし、空気を変え、プロフェッショナルが輝ける場所にする。あるいは皆が皆、プロフェッショナルになろうと思える場所にする。それが今後の業界の課題かな、とマイスターは思います。
「俺の職場は、大学キャンパスです!」
と、皆さんが誰に対しても誇りを持って言える。
言われた方も、
「大学で働いてらっしゃるんですか、それは優秀なのですね。社会のために、よろしくお願いします」
と尊敬のまなざしを向ける。
そんな状態になったら素敵だな、と思います。
この2年5ヶ月の間に出会った皆様のためにも、このブログを読んでくださっている大勢の方々のためにも、そうなって欲しいと思います。
いや、そうならなければいけません。
そうなれば、日本の高等教育を悲観的に考える方々も、今よりずっと減ることでしょう。
桜が満開の公園でひとり、そんなことを考えていたマイスターでした。
はじめまして。いつもブログを拝見させていただいております。
私は、大学職員を目指して現在就職活動中の者です。難関で不安の中、いつも記事を目にするたびにモチベーションと勇気を与えられます。
ファンの一人として、4月からも有為な記事を心待ちにしております。
前ふり長~い!(ニヤリ)