大学マスコットキャラクターが流行?

マイスターです。

今日は↓こんな話題をお届けします。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「大学の『顔』にマスコット花盛り フクロウ・タヌキ…」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0303/012.html
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全国各地の大学が、「大学の顔」としてマスコットキャラクターを相次いで導入している。少子化とともに学生の確保が難しくなる中、各大学とも教育理念やイメージをキャラクターに重ねて視覚に訴え、高校生ら受験予備軍や地域の人々に愛着を持ってもらおうと懸命だ。

明治大は2月23日、胸に「M」を刻んだフクロウを広報部のキャラクターとして採用した。名前を決めたうえで、ホームページやポスターなどに利用していく計画だ。学生から募った約100点の候補を5点に絞り、教職員や学生ら767人の投票で決めた。

明治大が選考過程で調べたところ、国立、私立を含めて20を超す大学、短大がキャラクターを使っていることがわかったという。
(上記記事より)

記事本文では、明治大学の他にも様々なキャラクターを取り上げています。
このように今や多くの大学が、マスコットキャラクターを導入しているそうです。

明治大学のキャラクターはフクロウなんですね。
フクロウは、ギリシャ神話の知恵と戦の女神「アテナ」の使いで、古来より知恵の象徴とされています。このように、いかにも大学に使われそうな特徴をもつ動物ですから、ひそかにマイスター、「たぶんどこかの大学がキャラクターに採用するだろうな」とにらんでおりました。そうですか、明治大学でしたか。

本ブログでもかなり前に、大学のキャラクター導入について書かせていただいたことがありました。

(過去の関連記事)
・大学のキャラクター活用(1):日本人の○○%はキャラクターが好き!?
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50166404.html
大学のキャラクター活用(2):キャラクターを使った大学広報の実例
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50166452.html
・大学のキャラクター活用(3):人気キャラクターを自校の広報に利用する
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50166950.html

キャラクターの活用法については上記の記事で既にご紹介したので、詳細についてはこちらをご覧いただければと思います。
以下、重複になってしまうかも知れませんが、大学のキャラクターに関する個人的な考えを簡単に書いてみたいと思います、

マイスターは、大学がキャラクターを用いるメリットとしては、大きく分けて

【1】親しみのあるイメージを作り上げる

【2】大学の持つ特徴を、ビジュアルでわかりやすく伝える

【3】広報に統一を持たせる

の3つがあるように思います。

1については説明は不要でしょう。
大学関係者が「うちの大学でも、キャラクターを作ってみてはどうか」と会議で提案する場合、たいていこれが理由だと思います。
冒頭の記事も、特にこの点に焦点を当てていますね。

ですからマイスターは、ここでは2と3の効果を強調しておきたいと思います。

まず2について。

キャラクターというのは、メディアに乗って伝達される情報の一種です。
キャラクターそれ自体が、なんらかのメッセージとして相手に伝わります。
ですから採用するキャラクターによって、特定の意味を持ったイメージを相手に伝えることができるわけです。

例えばもしも野球の阪神が「阪神ハムスターズ」みたいな名前で、マスコットも全員愛らしい小動物だったとしたら、チーム全体のイメージが違ってくると思いませんか?
多分スポーツ新聞も、「猛鼠打線爆発!」とかいうフレーズは使いませんよね。

マイスターが現在各大学で使われているマスコットキャラクターにちょっと物足りなさを感じるのは、「どんな大学であるかということを、そのマスコットがあまり伝えていない」という点です。
大学には、それぞれ校風やキャンパス文化といったものがありますでしょう。それを伝えてあげるようなキャラクターにすればいいのに、と思うのです。

というか、さらに言ってしまうと、「大学の特徴を想起させないキャラクターをわざわざつくってどうするの?」という気もしなくもないのです。
キャラクターというのは様々な広報メディアに掲載され、多くの人の目に触れることを前提にしてつくるものです。ただでさえ、ビジュアル情報ということで瞬間のインパクトがあるのですから、ちゃんと特定の意味を付与してあげないと、かえって他の情報をかき乱してしまいかねません。

よく引き合いに出される東洋大学の「ムーミン」は、哲学的な思索にふけっているように見えなくもありませんし、この点でうまく活用されているように思います。

また、東京理科大学のキャラクターも、個人的には好きです。

■東京理科大学創立125周年記念イメージキャラクター「坊っちゃん」
http://www.tus.ac.jp/news/2005/0513_2.html

小説『坊ちゃん』の主人公は東京理科大学の前身「東京物理学校」を出たという設定ですから、ズバリそのままです。また「実直な学風」「教員養成に力を入れている」といった特徴も、そこはかとなく持ち合わせています。
大学側が伝えたいと思っているイメージをキャラクターが補完してくれる関係、これが理想だとマイスターは思います。かわいいだけではいけません。
上記の2校の場合、完全なオリジナルキャラクターというわけではなく、すでにある種のイメージと知名度を獲得しているキャラクターや実在の人物の力を借り受けているので、こうしたことができるのかも知れませんね。

そして、3「広報に統一を持たせる」について。

キャラクターというのは、メディアの垣根を軽々と越えていく、便利な存在です。

例えばDM、薄めの大学パンフレット、入学案内、交通広告、キャンパス内の掲示、webサイト等々、大学は数多くの広報メディアを用いています。細かいところで言うと、大学が使う封筒類なんてのも、一種の広報メディアです。
このすべてを、統一されたブランドイメージでそろえなくてはなりません。メディアによって、相手に与えるメッセージや印象が違っていてはいけませんからね。でもこれがなかなか大変なのです。

しかし特定のキャラクターを用意してあげると、これがとても楽に実現できてしまうのです。キャラクターというビジュアル情報が与えるインパクトは強いので、同じキャラクターが使われていれば、見た人は即座に「○○大学の情報だぁ」と認識するのです。便利ですよね。キャラクターのこういった特性を、活かさない手はありません。

ちなみにマイスターは、マスコットキャラクターを持っている大学をいくつか知っていますが、それがwebサイトなどで積極的に活用されている様子は正直言ってあまり見かけません。キャラクターは使うためにつくるわけですから、どうせなら徹底的に使い倒しましょう。
それも、「パンフレットでしか使われないキャラクター」みたいなものではあまり意味がありません。すべてのメディアに登場させましょう。

逆に言うと、もしキャラクターの広報効果を徹底的に活かしたいのであれば、メディアを選ぶようなキャラクターは避けたほうがいい、といことです。
あまりにラブリーで原色バリバリなデザインですと、大学webサイトのトップページに持ってくるのは難しいかも知れませんし、封筒に印刷するのにも抵抗感があります。
周年事業など短期間に行うキャンペーンやイベントのためのキャラクターはインパクト重視、普段から日常的に使うキャラクターは目的に相応するデザインと、目的に応じて分けて考えると良いかもしれません。

……とこのように、キャラクターというのは本気で活用しようと思うとなかなか奥が深いです。

ご自分の大学では、どのようなキャラクターをどのように使うと一番良いのか。
ケースバイケースだと思いますので、みなさま、ぜひご自身の母校や勤務先を実例にして具体的に考えてみると面白いんじゃないかなと思います。

以上、マイスターでした。