マイスターです。
入試シーズン真っ最中ですね。大学関係者の皆様は、休日のない日々を送っておられるかと思います。
さて、日曜日になりましたので、恒例、ニュースクリップをお届けします。
国立では最初。
■「東大が全学生に傷害保険 国公立で初、通学中も補償」(くまにち.コム)
http://kumanichi.com/news/kyodo/index.cfm?id=20070131000272&cid=social
東大(小宮山宏学長)は31日、学生の福利厚生を図るため、全学生(約2万9000人)に傷害保険に加入してもらい、保険料を大学が負担すると発表した。
加入するのは、日本国際教育支援協会が運営する「学生教育研究災害傷害保険(学研災)」。支援協会によると、全学生の傷害保険料を大学が賄うのは国公立大では初めて。
大学の負担額は年間約2800万円(1人当たり約1000円)の見通しで、4月から実施する。
東大ではこれまでは任意加入となっており、加入率は約7割だった。
(上記記事より)
国立大学では初めて、とのこと。なるほど。
実験やらキャンパス外での活動やら、大学生の身の回りには、それなりにけがをするリスクがあります。今回、こういった方針を立てるということは、保険に入っていなかったために多額の医療費がかかってしまう人もいるということなのでしょう。
もっとも、
私立大では、早稲田大や慶応大など60数校が大学負担による全員加入となっている。
(上記記事より)
……と、私立では、以前からわりと普通に行われている取り組みだったりするようです。
国立大学も、今回東大が動いたことで、一気に普及するかもしれません。
まだ「一部の例外」ですが……。
■「『飛び入学』勘違い 埼玉工大、受験させたのに失格」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0203/009.html
さいたま市の私立高校2年生の男子生徒(17)が、「飛び入学」をめざして埼玉工業大(埼玉県深谷市)を受験したところ、大学側が試験終了後、「もともと飛び入学を認めていない」として受験自体を取り消す「失格」としていたことがわかった。同大は事前に生徒の年齢などを確認していたが、生徒が高校卒業程度認定試験(旧大検)で合格点を取っていたことなどから勘違いしたという。
(略)
生徒の父親は「認定試験で合格点を取っていたので、受験できるものと思いこんだ。大半の大学が実際には『入学時点で18歳以上』を条件としており、それを入試要項に明記するなど対策をとってほしい」と話している。
(上記記事より)
大学関係者達の中には当然の常識として「18歳未満の入学は認めないものだ」という前提がすり込まれておりますので、説明時、わざわざ年齢制限について触れたりしないのかも知れません。
ただ、千葉大学理学部が全国に先駆けて導入して以来、飛び入学を認める大学は増えてきています。もしかすると今後は、毎回必ず「本学では認めておりません」「本学では認めています」といった説明が求められるようになるのかも知れませんね。
(ちなみに個人的には、大学入学における年齢制限の存在意義をあまり感じておりませんので、「年齢制限を行う方が少数派」という時代に早く来て欲しいです。片方では何十時間もの世界史補習授業に毎日ぶっつづけで出席させて「はい履修したね。これで卒業OK」とやっているのに、ちゃんと認定試験に合格して所定の学力を持っていることを証明した人が「18歳未満だからダメ」という理由で入学拒否されるというのは、どうにも腑に落ちないのです)
50年前のデータではありますが。
■「ノーベル賞とると寿命2歳延びる 英教授調査」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/international/update/0203/006.html
ノーベル賞は、過去の受賞者や大学教授ら有識者が推薦した候補者から選ばれる。誰が推薦されたかなど、選考過程は半世紀を経て公開される。1901~50年に候補者となった男性524人(うち135人が受賞)が何歳まで生きたかを、同大が調べた。
平均は76歳だったが、受賞者に限るとそれより1.4歳長かった。同じ国の受賞者と候補者とを比べると、さらに0.6歳ほど差が広がった。
(上記記事より)
研究者の皆様に朗報です。ノーベル賞で、なんと2歳も寿命が延ばせるそうです。ぜひ皆様もおひとつ(……って、取る方が大変なんですよね、すみません)。
なお寿命が長い理由は不明だそうです。頂点を極めたという満足感が、色々なゆとりにつながるのでしょうか……?うーむ。
おそるべしノーベル賞。
必勝ハチマキ姿で……
■「豊橋創造大学で就職出陣式」(東日新聞)
http://www.tonichi.net/news.php?mode=view&id=17529&categoryid=1
豊橋創造大学 (佐藤勝尚学長) は31日、 同大学で就職出陣式を開いた。 2月は本格的に全国各地で合同企業展やセミナーが始まる月。 それを前に学生たちは、 スーツ姿に 「必勝」 の鉢巻き、 内定獲得に向けて心を引き締めた。
(上記記事より)
記事に掲載されている写真のインパクトが強かったので、ご紹介してみました。
おそらく上記の記事の例だけでなく、他にも同様のイベントを行っている大学はあるでしょう。
(必勝ハチマキを着用させるところはそんなにないかも知れませんが)
正直、マイスターはこういうのに慣れません……。ブログでも何度か書いてきましたが、全員同じ格好で、同じようなことをしゃべり、同じような対策で一斉に採用試験を受けるということ自体に、何か理屈を超えた妙な違和感を感じるのです。
「出陣式」というのは、就職活動が始まるのだということを学生に意識してもらうためにやるのかと思いますが、全員で必勝ハチマキをしてエイエイオーと叫ぶ、この方法が果たしてベストなのかどうか。
就職というのはあくまでも自分一人のキャリアに関わる、非常に個人的なイベントだと思うのですが、それなのに「周囲との連帯感」とか「一致団結」とかいった手段を使って物事を進めてしまうやり方に、もしかしたらマイスターは抵抗感を覚えるのかも知れません。就職率を上げないといけない事情を頭では分かりつつも、生理的にはなかなか慣れません。
やらないよりはやった方が、学内の雰囲気を変える上でいいのでしょうが、じゃあ自分が担当だったら、どういうやり方をしようかと思うと……うーん。考え込んじゃいます。
優秀な女子学生を集めている?
■「ソウル大学の女子新入生、全体の40%を突破」(東亜日報)
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2007020255178
ソウル大学の新入生のうち女子学生の割合が、今年初めて40%を突破した。
ソウル大学は1日発表した2007学年度・新入生定時募集の結果を通じて、随時・定時募集の合格者のうち、女子学生の割合が00年度=36.3%、03年度=38.8%、06年度=36.6%に続いて、今年度は40.5%となったと伝えた。
文科系合格者の論述考査の平均点数は男子学生が23.39点、女子学生23.41点で大きな格差はなかった。
(上記記事より)
韓国のソウル大学で、女子学生が増えてきているようです。何か手を打っているのか、それとも女子学生達の意識の変化、女子学生を取り巻く社会環境の変化に伴い、自然にこうなっていったのでしょうか。
ソウルには、梨花女子大学という女子大の名門校があります。従来ならそちらに進学していたような優秀な女子学生を獲得しよう……なんていう方策を立てているのかも知れません。
比較対象として東大の女子学生比率を調べてみようと思いましたが、新入生の男女比率が見つかりませんでした。
在学生全体の数は↓こちらにあります。
■「東京大学入学案内 > 学生数 > 学生・研究生・聴講生数」(東京大学)
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu04/e08_02_j.html
学部生で、だいたい2割程度のようですね。
最近では東大も、女子高生のための入学説明会を開くなどして、優秀な女子学生を集めようと努力しているようですので、これから増えるのかも知れません。
■「東大が初の女子高生向け説明会 450人が参加」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200612230256.html
■「女子高校生のための東京大学説明会」(東京大学)
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/e01_012_01_j.html
以上、今週のニュースクリップでした。
最近では自校のキャンパスのみならず、地方の主要都市でもサテライト入試を行う大学が結構あります。そのための出張も増えていることでしょう。
皆様、体調管理にお気をつけください。
今週も一週間、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
マイスターでした。