マイスターです。
以前も書きましたが、今回、年末年始の分のブログを前もって書きためておりました。
で、その間は何をしていたかというと、旅行に行っておりました。
カンボジアに。
■「カンボジア」(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%B8%E3%82%A2
世間的には、アンコールワット遺跡とクメール・ルージュ(ポル・ポト派)のイメージが強い国でしょうか。
途上国支援などに詳しい方なら、内戦等によって残された地雷の被害や、児童買春などの問題をご存じかも知れません。
根底にあるのは、貧困です。
【国名とGDP (100万US$)】
日本 4,799,061
中華人民共和国 1,843,117
インド 749,443
大韓民国 720,772
インドネシア 284,072
タイ 174,545
マレーシア 127,942
シンガポール 116,326
フィリピン 92,586
ベトナム 47,111
ミャンマー 8,867
ブルネイ 5,721
カンボジア 4,583
ラオス 2,665
東ティモール 332・「市場為替レートベースのGDP(アジア)」
IMFのReport for Selected Countries and Subjects(2005年)を元に作成
周辺諸国と比較すると、国家の経済力は上記のような感じになります。
このような状況ですので、各国の支援機関やNGOなどが多数、カンボジアで活動しています。
さて、そんなカンボジアに行ってきたのですが、あまり基本的な説明や、マイスターの個人的な旅行記などを読んでいただいても面白くないと思いますので、皆様に関わりがありそうな(?)ところだけご紹介させてください。
はい↑こちらが、カンボジアの首都プノンペンにある、王立経済法科大学です。
……………
海外に行っても大学キャンパス巡りって……orz
いえ、なんていうかその、たまたま時間があったので、思わず……。
ちゃんと受付で許可を取ってキャンパス内に入りました。
(年末ですので授業はなく、学生さんはいませんでしたが)
■「Royal University of Law and Economics」
http://www.rule.edu.kh/About_Rule.htm
ちなみに↑こちらがこの大学のwebサイトです。
このサイトによると、1948年に設立された、カンボジアで最初の高等教育機関なのだそうです。
現在カンボジアで最も大きいのは、プノンペンにある王立プノンペン大学だそうですが、この大学もなかなかの規模です。
キャンパスは、日本の小さな人文・社会科学系単科大学に近い雰囲気でした。
掲示板もあります。よく見てみたら、海外の提携校の名前が並んでいました。
日本の早稲田大学や名古屋大学の名前も見えますね。あとは、かつての宗主国であるフランスの大学の名称が目立ちました。
日本政府による留学奨学生の案内も貼ってありました。
現地におられる方から聞いた話によると、カンボジア人にとって「身近な国」というのはベトナムやタイといった周辺の国、それにフランスであり、日本はどちらかというと「あこがれの国」という印象をもたれているのではないか、とのことでした。
また、専門教育を受ける過程で英語かフランス語かを選択する機会があるらしいです。「かつてはフランス語を選択する学生も多かったのだと思うけれど、今は英語が強いかな」とのこと。ふーむ。
ちなみに掲示を見た限り、この大学が出しているのは経済と法律それぞれの学士、修士だけで、博士は出していないようでした。
途上国の大学ではどうしても「教育」機能を満たすことに精一杯で、「研究」のレベルを向上させることにまで手が回らないと聞いたことがありますが、それを思い出しました。
というわけで、カンボジアの大学でした。
ただ、これはカンボジア社会の中でも相当のエリート層が集うところ。
おなじプノンペンでもちょっと郊外に行くと、こんな風景が目に入ります。
これは、通称「ゴミ山」と呼ばれる場所です。
プノンペン市内で出たあらゆるゴミが、いっしょくたにこの場所に廃棄されるのです。一応行政が決めた廃棄場なのですが、処理施設もなく本当にただ捨てるだけ。
で、そのゴミ山の中から使えるものを集めて売り、生計を立てる人達がたくさんいるわけです。
この日は快晴だったのですが、ゴミ山からなにやら異臭をまとった白い煙(蒸気?それとも何かのガス?)のようなものが立ち上っており、このように白っぽい写真になってしまいました。
足を踏み入れると、そういった「いかにも健康に悪そうな」臭気で、うまく呼吸ができません。ハエもぶんぶん飛んでいますので、マスクやメガネ、首を覆うタオル、靴への浸水を防ぐビニールなどで完全防備して行きました。
雨がほとんど降らない乾期でこれですから、スコールが降り注ぐ雨期には、いったいどうなってしまうのでしょうか。
で、何が最も問題かというと、このゴミ山では、多くの子供達が働いているのです。
ゴミ拾いは子供でもできる手軽な仕事なのでしょうが、どう考えてもこの場所は、彼等の体に何らかの悪影響を与えます。
ゴミ山で生計を立てる方々の住まいなのかな……と思われる家々が、ゴミ山のすぐ横に密集して立っていました。
プノンペンに行った理由は、どちらかというとこの「ゴミ山」を見るためです。やはり行って良かった。
こういった場所で働く子供達や買春宿にいる子供達には、「代わりの仕事」が必要です。そのあたりをどう解決していくかについては、↓こちらの記事やリンクをご参照いただければと思います。
・カンボジアの問題に向き合う 「かものはしプロジェクト」の試み
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50217661.html
■「NPO法人かものはしプロジェクト」
http://www.kamonohashi-project.net/index.html
以上、カンボジアでそんなことを考えていたマイスターでした。
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(おまけ)
カンボジアということで、アンコール遺跡も観に行きました。ここは全体として、長い間の放置や、クメール・ルージュなどの破壊活動により、かなりの被害を受けています。
そこで遺跡ごとに、様々な国の研究機関が調査・修復のために現地で活動しているのです。
↑例えばこれは、アンコールワット西参道の修復現場に立っていた案内。
日本の研究者達が主導しているプロジェクトであることがアピールされています。
↑使われていた重機には、「Sophia Mission」というフレーズと、どこかで見たような鳥のマーク。関係者ならおわかりでしょうが、これは上智大学の学章です。
キャンパスから遠く離れた地で、日本の大学の学章が今日も参拝者達を見守っているのですね。