今年はテレビが見られない環境に置かれているため、箱根駅伝をリアルタイムで楽しめないのが残念な、マイスターです。
今日は、昨日の続きです。
人々が何かを購入するまでには実に多様で複雑なプロセスを経ている。だから、そのプロセスの各段階において、最も適したメディアを使うことを考えよう……というところまで書いたのでした。
さて、
しかるべきタイミングで大学の名前を知ってもらい、
しかるべきタイミングで関心を持ってもらい、
しかるべきタイミングで深い内容をお伝えし……と、
情報量を少しずつ増やしながら、順を追ってアピールしていくわけですが、では、それぞれに向いているメディアは何でしょうか?
(日本の大学に多いと思うのですが、分厚いパンフレットを一冊いきなり送りつけて、「さぁ、これで本学のことを知ってイメージして好きになって受験して入学してっ!」と訴えるのは、こうして考えてみると、本当はあまりうまい方法ではないのです)
前述したようにwebサイトは便利で強力なメディアなのですが、「まず、大学名を知ってもらう」という段階では、他のメディアの方が効率的に機能することも多いです。
DMやビラのようなプッシュ型の紙媒体や、交通広告、各種地域イベントでの活動などを使って(ただしあくまでもターゲットを絞って合理的に、ですが)宣伝した方が効率が良いということもあると思います。webサイトはユーザーの能動的なアクションに応えることについては優秀ですが、こちらから勝手にサイトを表示させることはできません。
ちなみにすっかり浸透した観のある検索エンジン最適化(SEO)も、プロに頼んで望んだ相手を十分な数だけ集めようとすると実は、結構な金額がかかってしまいます。またSEOでアクセスを集めても、ログ解析してみたらやってきたユーザーの大半がそのページからそのまま直帰していた、なんてこともザラです。すべてはやり方次第ですが、「まず大学名を知ってもらう」段階では、webサイトの威力をあまり過信しないほうがいいかと思います。
webサイトがその真価を発揮するのは、やはり皆様が大学のことに関心を持ち始めてきてからであるように思われます。
前述したように、情報量は(理屈の上では)無制限。相手の関心の度合いに合わせ、段階的に情報をじっくり読ませることが可能です。
情報の「質」もばっちりです。画像をふんだんに掲載できるほか、最近ではブロードバンドがすっかり普及し、オンラインムービー等のリッチコンテンツも遠慮なく使えるようになってきています。
他のメディアを使ってwebサイトにユーザーを誘導し、IDやメールアドレスを集めて更なるコミュニケーション機会につなげる、なんていうことも行っていいでしょう。継続的なつながりを作る工夫ですね。
大事なのは、メディアごとの特性を理解して、使い分けることです。
紙パンフレットにはパンフレット向きの、サイトにはサイト向きの情報があります。すべてを紙でとか、すべてをwebサイトでとかいった方法論は、かえって無駄を生んでしまいかねません。
そのためには、webサイトだけを切り離して考えてはいけません。前回申し上げたように最終的に達成すべき大きな目標が別にあるわけですから、他のメディアとどう組み合わせてどう活用すればそこに辿り着けるのか、と俯瞰して考えてみることが大切なのです。
というわけで今回のテーマは「webサイトだけで考えない!」でした。
以上、マイスターでした。