大学webサイトの考え方(3):webサイトだけで考えない!【前編】

あけましておめでとうございます、マイスターです。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
(……と、12月のうちに書く自分。ううむ、業界人っぽい)

さて、ここしばらく、「大学webサイトの考え方」というテーマで書かせていただいております。

今日は、「webサイトのことを考えるときは、ほかのメディアとの役割分担を念頭に置こう」という話です。

さて、今回も質問から入らせていただきます。

「webサイトに求められる機能」って、なんでしょうか?

○高校生や保護者、高校教員に対する入試広報
○学外の一般生活者の皆様に対する大学広報

なんていうご意見があがりそうですね。そのほか、

○オンラインシラバスや休講情報といった、学生向けの情報提供
○卒業生(同窓会)に対する情報提供
○教職員向けの情報提供

なども一般的に、大学webサイトの役割だとされていますよね。
この他にもまだまだたくさん、リストアップできる機能があることでしょう。

webサイトは、とても便利なメディアです。
何より印刷物と違って、規模の拡張に限界がありません。一つのトップページに100個のhtmlファイルがぶら下がっていることがあるかと思うと、10,000のhtmlが隠れていることだってあります。サイズが100倍になれば見せ方にそれなりの工夫が必要になりますが、うまく工夫できている限りは、何万ページでも作っていいわけです。しかも更新はリアルタイムに行えます。
また印刷物に比べると、ページの制作自体にそれほどお金がかかりません。

これだけ便利なwebサイトですから、様々な機能を盛り込み、あれもこれもwebでと欲張ってしまうのもわかります。

でも、そこでちょっと作戦を立てましょう。

世の中には様々なメディアがあり、それぞれに向き・不向きというものがあります。
webサイトにも当然、得意とする役割と、苦手とする役割があります。それを理解し、他のメディアとうまく役割分担させることを考えたほうが効率的です。

例えば「入試広報」。
これひとつとっても、メディアを使いこなすのは大変です。

その大学のことをまったく知らない高校生を、4月の「入学」までご案内するためには、いったいどのような過程があるでしょうか。
例えば古典的なマーケティング理論では、製品やサービスが消費されるまでの過程を、以下のように段階分けしています。

○大学名を知ってもらう(Attention)
○その大学に興味関心を持ってもらう。気にかけてもらう(Interest)
○その大学に行きたい、という欲求を持ってもらう(Desire)
○その大学のことを記憶にとどめてもらう(Memory)
○実際に受験する/入学する(Action)

英語の頭文字をとって、これを「AIDMAの法則」と呼びます。あまりに有名な理論なので、きっと商学部出身の方は学生時代に教わったことでしょう。

(現在ではインターネットが普及し、このAIDMAに変わって「AISAS」と呼ばれるモデルがじわじわと普及し始めています。【Attention → Interest → Search → Action → Share】です。もっとも現在は色々な新しい理論が提唱されては消えているという状況ですので、これもまだ、決定打と呼べるほど浸透してはいないようです)

いずれにしても消費者が何かを購入するまでには実に多様で複雑なプロセスを経ているのだということは、イメージしていただけるのではないかと思います。

入試広報だって同じです。最終的に入学してもらうまでの間には、様々なプロセスが存在しているはずです。
ですから、この様々なプロセスの各段階において、最も適したメディアを使うことを考えましょう。

と、今日はここまで。明日に続きます。

以上、マイスターでした。