マイスターです。
今日は洗濯や掃除など、家の中での作業を行っていたら、あっという間に一日が終わりました。たまにはこんな日があってもいいですよね。うん。
というわけで日曜日ですので、恒例のニュースクリップをお届けします。
東京大学の債務返済力は日本トップクラス?
■「東大、債務返済力の格付け取得 トヨタ並み『AAA』」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/business/update/0907/143.html
■「東大、最高の「AAA」 投資格付け、大学で初」(usfl.com)
http://www.usfl.com/Daily/News/06/09/0907_008.asp?id=50364
■「東大が格付け取得、国立大初の『トリプルA』」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060908AT1G0704L07092006.html
■「さすが?東大、『企業』格付け最上級の『AAA』」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060907i412.htm?from=main4
東大は7日、格付け会社「格付投資情報センター」(R&I、東京)から、債務履行能力について最高の「AAA」を大学として初めて取得したと発表した。これまでは早大、慶大、同志社大が1つ下の「AAプラス」を取得したのが最高だった。
2004年に法人化された国立大がR&Iの格付けを公表したのは初。同社の格付けAAAは、一般企業ではトヨタ、デンソー、武田薬品工業の3社だけで、ほかには国際協力銀行や住宅金融公庫など。
R&Iは国立大学法人について「付属病院の収入などの自己資金や国からの交付金で運営が安定しており、よほどのことがない限り恒常的な赤字はまずない」と指摘。東大は学生の人気や研究面での強さ、組織運営の先進性を評価し「安定度は特に高い」とした。
(usfl.com記事より)
東大が、企業と同じように債務履行能力の格付け評価を受けたところ、最高レベルの「AAA」を取得したと言う報道です。
各メディアの報じ方が面白いです。やはりビジネスマンには「トヨタ並み」という表現が伝わりやすいのかも知れませんね。また、「さすが東大」の表記もあります。
ただ、上記のメディアが報じていない情報もあります。
【新規格付け】 東京大学
発行体格付け: AAA [格付けの方向性:ネガティブ]……国立大学法人セクターにおける東京大学の位置付けの高さからみて、格付けの
安定度は特に高い。ただ、現行の制度のもとでは国の信用力の制約を受けざるを得ず、格付けの方向性は日本のソブリン格付けと同様にネガティブとした。
「NEWS RELEASE:新規格付け『東京大学』」(格付投資情報センター)より
東大はAAAの格付けを受けていますが、その方向性は「ネガティブ」です。格付け機関というのはAやAAAといった本格付けに加えて、発行体格付けおよび保険金支払能力格付けの中期的な「方向性」についても言及するものなのですね。
その方向性が、東京大学は「ネガティブ」。つまり、将来は格下げの方向で見直す可能性が高いと判断しているという意味です。
理由は上記の通り、東大の現在の評価は、国の信用力の制約を受けた上でのものであって、本当の意味で独立した機関としての信用力を確保しているとは言えないから、です。
同じAAAでも、トヨタ、デンソー、武田薬品工業の方向性は「安定的」です。
東大も「これならずっと、自力でAAAを維持できる」と評価されるようになるといいですね。
(参考)
■「国立大学法人の格付けについて(PDF)」(格付投資情報センター)
http://www.r-i.co.jp/jpn/news_topics/detail/200609/j06-a-065.pdf
■「学校法人格付け一覧(PDF)」(格付投資情報センター)
http://www.r-i.co.jp/jpn/rating/rating/rating_list/school_jpn.pdf
またもや大学専門窃盗犯。
■「大学専門に盗み、容疑の男逮捕 近畿17大学で被害確認」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200609040068.html
奈良署は4日、大阪府立大の研究室に侵入し現金約1万円入りの財布を盗んだとして、住所不定、無職本林喜久雄容疑者(52)を窃盗の疑いで逮捕した。同容疑者は約2年前から、無人の大学研究室を狙って教員や学生のカバンから盗みを繰り返していたという。
同署は京大、阪大、神戸大、近畿大農学部(奈良市)など近畿4府県の17大学で財布など92点(計281万円相当)の被害を確認し、自供と一致したとしている。
同容疑者が宿泊していた大阪市西成区の簡易宿舎からは335人分の財布などが見つかった。北海道大、北海道教育大、名古屋大、岐阜大の4大学で盗んだと見られる学生証もあったという。
本林容疑者は「昼間の大学は怪しまれることが少なく、声を掛けられても出入りの業者と言い逃れできた」と供述している。
(上記記事より)
セキュリティが非常にゆるい大学の研究室。その虚を突いた犯行です。
大学ばかりを選んでいるあたり、完全に「大学は楽に入れる」となめてかかっていたのだと思います。実際に2年間にわたって盗みを続け、これだけの「成果」をあげているのですから、その見通しは残念ながら、あながち間違っていなかったのでしょう。
実は、以前にも本ブログで、これと非常によく似た報道をご紹介したことがあります。詳細は、↓こちらをご覧ください。
・ニュースクリップ[-6/18] 「国公立大だけ狙い1000万円!36大学から盗み行脚」ほか
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50210615.html
このときは国立大学ばかりを選んで全国を行脚する手口でした。大学は、窃盗犯にとっては有力なターゲットなのかも知れません。少子化で受験生が減っている中、窃盗犯ばっかりがキャンパスを訪ねてきても……うーん。
各大学とも、キャンパス内のセキュリティを、真剣に見直した方がよさそうですよ。
子供の手を離せない大人達の国。
■「一家総出で大学新入生に付き添い 天津駅混雑」(エクスプロア天津)
http://www.explore.ne.jp/news/article.php3?n=3453&r=tj
天津駅の話によると、大学の入学時期が近づくにつれて天津駅から各地の大学へと旅立つ学生の移動がピークを迎えており、ここ数日の間は平均で平常より2千人多い約3万人が天津駅を利用している。
中でも北京へ向かう人が最も多く、一日平均約1万人が北京行きの鉄道を利用している。これはゴールデンウィーク期間のピーク時に匹敵する数だ。
この混雑の一因は、旅立つ大学新一年生の付き添いで出掛ける家族たちだ。大事な一人っ子の巣立ちを心配して、身の回りの世話のため親が子供に伴って行くという風景は年々顕著になってきており、最近は親族5~6人が揃って同行することも珍しくない。
子供の晴れ姿を親族一同で見守るとともに、実はどうやら家族旅行も兼ねてしまおうということのようだ。
また、これを商機とにらんだ各旅行社は「新一年生見送りパッケージ」を売り出しており、大学のそばや構内に宿泊しながらその都市の観光名所を巡るツアーを実施しているということだ。
(上記記事より。強調部分はマイスターによる)
中国の一人っ子政策の中で、甘やかされ過保護にされて育っていく子供を指す言葉として、「小皇帝」というものがありますね。そんな「小皇帝」は、大学入学時もこんな感じなのかも知れません。(「新一年生見送りパッケージ」って……)
↓ちなみに、大学を受験する際の家族総動員っぷりは、もっとすごいです。
■「統一大学入試、会場から出る受験生にどよめく親」(中国情報局)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=0607&f=national_0607_002.shtml&pt=large
こういうのって、学生本人よりも「大学生になっても子供の身の回りの世話をしたがる親」の方に問題があるんじゃないかな、とマイスターは思います。
もっとも、<大学入学=親からの自立>という図式が崩れているのは、中国や日本に限った話ではありません。↓あのアメリカですら、最近では子離れできない親が増えてきている、ということを、以前「ヘリコプター・ペアレンツ」という言葉とともにご紹介いたしました。
・“ヘリコプター・ペアレンツ” いつまでも子供から離れない親
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50190571.html
いくら子供が心配でも、手を離すタイミングを誤ると、親が子の成長を阻む障害になってしまいかねません。そのあたりの難しさは、万国共通なのかも知れませんね。
この選手も大学へ進学。
■「クワン、今季は競技会欠場し大学へ」(日刊スポーツ)
http://www.nikkansports.com/sports/f-sp-tp0-20060907-86530.html
サッカーの中田選手や野球の桑田選手など、大学進学を希望するスポーツ選手の話題が多い中で、ふと見つけたニュースです。日本でも知名度の高い選手ですので、おぉ、彼女も大学かと思ってクリップしておりました。
競技にもよりますが、考えてみればスポーツの世界って、かなり若い内に勝負の舞台に立つことが多いですよね。それゆえ、若い内に世界の一流選手達と勝負し、若い内に表舞台から去る……というパターンも少なくないはずです。大学が、何らかの形でそういった方々をお迎えする、ということは、実は結構あることなのかも知れませんね。
海外への大学受験が過熱化すると……。
■「高まる留学熱、暴利むさぼる米国大学入試対策塾」(朝鮮日報 livedoor NEWS掲載)
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2422652/detail
記事の内容が事実だとしたら、こういう塾にあたってしまった生徒や保護者はかなり悲惨です。韓国は日本に比べると、海外留学に積極的な人々が多いという印象をマイスターは持っていたのですが、その陰で、こういったあくどいことを考える人々も出てくるのかもしれませんね。
日本もそのうち、「海外留学専門予備校」みたいな組織が増えてくるような気がします。でもはじめは、どのくらいのサービスがどのくらいの価格で提供されるのか、というスタンダードがありませんから、この韓国の報道のように、サービスに見合わない代金をふっかける業者も出てくるかも知れません。
将来は海外留学をと考えている生徒さんや保護者さんは、くれぐれもお気をつけください。
末期的な政情を伝える報道。
■「イラン大統領、リベラル派教員を大学から追放へ」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20060905AT2M0501B05092006.html
■「イラン大統領『進歩派大学教授の追放を』」(CNN.co.jp)
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200609060011.html
こういうことがあると、その国の政治は末期的だと思います。
日本で暮らしていると、「大学の自治」「学問の独立」のありがたみをしばしば忘れそうになります。でも実は、権力者にとって最も邪魔な存在って、大学だったりするのですよね。
この報道は、そんな事実を思い出させるのに十分な内容だと思います。
現代の日本でこのようなことが起きることは考えにくいですが、世界にはこういう状況におかれている大学があるのだ、ということは、忘れずにおきたいものです。
以上、今週のニュースクリップでした。
今回は、海外の報道をいくつか入れてみました。
日々、ブログ用メモも兼ねて大学関連ニュースをクリップしているのですが、中国、韓国に関する報道が、実はとても多いんです。すべてをご紹介することはできませんが、少しずつ、取り上げていきたいと思います。
今週も一週間、本ブログをごひいきにしていただき、ありがとうございました。
明日からも、どうぞよろしくお願いいたします。
マイスターでした。