先日どこかで書いた気がしますが、iPodに入れて聞いています。
はたして、今回の教材はいつまで続くのか? …と、己のダメっぷりをさらすマイスター(英会話学習挫折歴、長し)です。
それでは、本日のニュースクリップをお届けします。
揺れる早稲田大学。
■「白井氏を再選、早大総長選 不正流用問題で混乱も」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/culture/update/0630/031.html?ref=rss
■「研究費流用問題、松本・早大教授が辞表 白井総長は減俸」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200606280533.html
■「流用疑惑、早大大揺れ 教職員が調査報告を批判」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200606280125.html
早稲田大学総長選が30日、投開票され、白井克彦総長(66)が渡辺重範副総長(63)を破り再選した。直前には、研究費不正流用問題が発覚したこともあって、選挙は近年になく混乱した。両氏をそれぞれ支持した教職員間にしこりが残り、今後の大学運営に影響が出るとの見方もある。
(Asahi.com記事より)
当事者ではないので、選挙については何とも言えません。ただ、早大を揺るがせた研究費流用問題と総長選挙が重なったことで、一般生活者には、早稲田大学が大混乱している様子ばかりが伝わった一週間でした。
研究費流用問題も、また総長選挙に伴って報道された内容の数々も、
「早稲田って、風通し悪そうな組織だなぁ」
と感じさせる点では一致しています。
学部を再編成し、組織改革をアピールしていた早大にとっては、今回の一連の出来事は、かなりの痛手になるのではないでしょうか。
不正があまりに多いので……。
■「大学などの研究費監査で文科省が新部署設置へ」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060629i213.htm?from=main2
文部科学省は29日、研究費の不正使用防止のため、大学や研究機関の内部監査ルールの策定や抜き打ち検査などを行う部署を設置する方針を固めた。
同省が所管する12種類の競争的研究資金を横断的に担当、資金の受け入れ窓口となる大学や機関に厳格な管理体制を求める。
早稲田大学の松本和子教授による研究費の不正受給問題を受け、同省は不正使用対策の検討を進めている。検討チームは、現在の体制では十分な対応ができないとして、抜本的な見直しを行うことにした。
研究費の管理責任を負う大学や研究機関が、実質的な経理を研究室にまかせている実態の改善や、内部告発の機能的な運用が必要と判断。省内の窓口も一元化し、大学や研究機関を指導したり、大学の監査体制をチェックする。
(上記記事より)
というわけで早稲田大学、文科省の部署設置の原因になっちゃっています。研究費の不正使用を監査するのは、確かに片手間では不可能でしょうからね。
でも、こういった監査体制がきちんとできることは、日本の大学全体にとって悪いことではないと思います。対岸の出来事と思わず、皆様も、自校の研究費チェックを行いましょう。
PTA、謝礼金を不正に受け取り。
■「校庭開放の謝礼を不正利用 東京都中央区立小」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0628/TKY200606280160.html?ref=rss
週末などに主に小学校の校庭を子どもの遊び場として開放する「校庭開放」。その謝礼をめぐり「先払い」の悪用がわかった。東京都中央区立のある小学校では、PTAが区教委から受け取った指導員への謝礼40万円を不正に使っていたという。
(略)
すでに40万円は返還されたためPTAの告発は見送られた。一方で、05年度から先払いをやめ、実際に開放した分だけを後から払う仕組みに変えた。支払い方法も、入出金の記録が残るように口座振り込みにした。区教委の小池正男事務局次長は「以前の仕組みは、性善説に基づいていた。甘かった」と話す。都教委は関与した元副校長2人の処分を検討している。
(上記記事より)
どうも、こんなニュースが続きますね。
「以前の仕組みは、性善説に基づいていた。甘かった」という教委事務局次長の言葉が深いです。そう言えば教育の世界って、お金や資源の管理に関しては、全般的に「性善説」に基づいて考えられている部分が多いような。
大学研究室のアスベスト被害に対しても。
■「中皮腫死、大学研究室でも…元教授遺族に特別年金支給」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060628it14.htm
近畿大理工学部(大阪府東大阪市)で油化学を研究していた元男性教授が、実験器材に含まれていたアスベスト(石綿)の吸引による中皮腫で1994年に死亡したとして、アスベスト救済新法に基づく特別遺族年金の支給を認められたことが、28日、わかった。
(略)
妻ら遺族は当初、アスベストとの関連に気づかず、労災の時効(死後5年)を経過していたが、一連の「アスベスト禍」を受けて今年3月に施行され、時効を過ぎた遺族も対象にした救済新法に基づき、東大阪労働基準監督署に支給を申請した。5月に「職歴による発症」と判定され、年金の支給が決まった。
また、遺族は大学に事実の公表と補償を求めたが、大学は「因果関係が判然としない」として、応じない姿勢を見せている。
遺族は「大学の研究室でも被害があることを多くの人に知ってもらいたい。大学が補償に応じれば、他の被害者の救済に役立てるつもりだ」と話している。
(上記記事より)
おそらく人数があまり多くないので、忘れられてしまいがちだと思うのですが、研究機関にもアスベストの被害者はいるわけです。
犠牲になってしまった方の命は取り返しがつきませんが、判定を受けられたことは、遺された方々にとって、大きな一歩なのでしょう。
こうなると、この元教授の他、研究室に所属していた方々や、実験環境の近くにいた方々などのことも気になります。そういったこともさかのぼって調査した方がいいと思うのですが、それはご遺族の方々だけで行うのは困難でしょう。(補償などで色々とこじれている部分はあるかも知れませんが)ぜひ大学に、率先してそういった調査を進めていただきたいなと思います。
ゆとり教育のプラス面がこれから評価されるかも?
■「議論OK、学生変わった? 『ゆとり第一世代』入学」(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006070101002960.html
授業時間や学習内容が少ない新学習指導要領の下で学んだ“ゆとり教育第一世代”が今春、初めて大学1年生になった。人前での議論が平気で、プレゼンテーションが得意な学生が増加。大学教員からは「今までの学生とは違う」「ゆとりの効果では」という声も上がっている。
「話し合うのを嫌がらない学生が多く、今年は授業がしやすい」。東京海洋大で1年生に日本語表現法を教える大島弥生助教授は変化に気付いた。書きたいテーマを決めて学生同士の議論を重ね、リポートに仕上げる授業で、学生の積極的な発言が飛び出す。
(上記記事より)
「2006年問題」などと言われ、どちらかと言うと大学にとっては悩みの種のように思われている、ゆとり教育第一期生。しかし、良くなった部分もあるわけですね。
学力不足を補う学習サポートの仕組みだけでなく、「ゆとり世代」のプラス部分を延ばせるような大学カリキュラムについても、各大学でそれぞれ議論、分析された方が良いかも知れません。
本当に無償になるの?
■「幼児教育の無償化検討、中川政調会長が指示」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/politics/update/0630/011.html
■「幼児教育無償化検討明記」(神戸新聞)
http://www.kobe-np.co.jp/kyodonews/news/0000062185.shtml
自民党の中川秀直政調会長は30日、幼稚園・保育園の保育料などの無償化について検討することを、7月に閣議決定する政府の「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)」に盛り込む方針を示した。同日の党の予算関係の合同会議で具体的な文言を調整するよう関係議員に指示した。ただ、財政難の中で財源のめどは全く立っておらず、実現性についての見通しは現段階では不透明だ。
(Asahi.com記事より)
↑最後の一文が気になります。
もう何度も、話だけは聞いているのですが、ここについての具体案がなくっちゃなぁ。
学級経営学科。
■「岡山県内に4年ぶり私大 環太平洋大学 中四国初体育学部を設置 来春開学」(岡山日日新聞)
http://www.okanichi.co.jp/20060701121357.html
「中四国で初の体育学部」というところに目を留めて読んでいたのですが、「次世代教育学部 学級経営学科」という部分もちょっと気になりました。従来の教員養成とは何かが異なる……のかな? ちょっと気になりますね。
■「都道府県別教員需給バランスマップ」(Benesse教育開発センター
http://benesse.jp/berd/center/open/kou/view21/2005/06/02univ_11.html
↑こちらを見る限り、中国・四国地方ではおおむね教員数は不足気味だけれど、山陰は教員が余っている、という状況にあるようですね。岡山に教員養成系学部を作るのであれば、地域ごとの需給バランスにはお気を付けくださいませ。
進学状況が閣議報告されています。
■「彬子さま、英大学の留学を延長」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0630/TKY200606300331.html
博士課程に進学されるとのこと。しかし、こういう進路変更も、閣議で報告されるものなのね。知りませんでした。
留年したら、やっぱり報告されちゃうのでしょうね……。
適正な株価を保つために。
■「東証と東大が基準づくり 大学発ベンチャーの上場で」(
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006063001002175.html
東京証券取引所と東京大学は共同で、大学の研究成果を事業に活用する「大学発ベンチャー(研究開発型)企業」が上場する際の基準づくりに着手する。大学名や研究成果だけで投資家に人気が先走らないよう、上場企業としての企業統治(コーポレートガバナンス)を徹底させる。
(上記記事より)
確かに、ある程度基準やルールが決まっていないと、大学名だけで投資家が大学関連株を買い、事業に対する株の適正価格とは異なる株価が出てしまう、なんてこともあるのかも。なるほど。
暗い話題の多い街で、希望の光になる大学。
■「ガザ入植地跡に大学キャンパス」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/column/20060630g196u000_30.html
イスラエルの南西に接する小さな一角、パレスチナ自治区のガザは旧約聖書にも登場する世界最古の町の一つだ。不毛な砂漠地帯で、人口密度は世界一。イスラエルが撤退し荒廃した入植地跡地に大学が移転、未来を担う人材を育てるプロジェクトが動き出した。
(略)
イスラム原理主義組織ハマスが政権を奪取したことで国際社会の支援プロジェクトはすべて頓挫。がれきを運び出す費用も、その石を元に港をつくるプロジェクトも止まった。
そんななか、一つだけ動き出した事業がある。最大の入植地ネバダカリムは学校と市民センターが無傷で残っていた。ここにガザのアルアクサ大学がキャンパスを引っ越してきたのだ。
(略)
公立大学のため教授陣は公務員。16万人の公務員と同様、3カ月間にわたりハマス政権から給与をもらえなかった。ハマス幹部がエジプトからスーツケースで20億円相当を持ち込み、ようやく1カ月分の給与を支給できたのが実情で、大学を取り巻く環境は厳しい。
しかし暗い話題しかないガザで、未来に向けた一筋の光ともいえる同大学のプロジェクトは言葉には言い尽くせないものがあるようだ。「これからは武装勢力の戦闘員ではなく学者を育てたい」。大学関係者の言葉は希望に満ちている。
(上記記事より)
ラストの関係者のセリフが、心に響きます。人々が大学に寄せる期待が、それだけ大きいのですね。
ただ、残念ながら頭をよぎるのは、このキャンパスがテロの標的になってしまうことです。十分に(とは言っても限界はありますが)、可能な限りの安全対策をキャンパスに施して頂きたいと思います。
以上、今週のニュースクリップでした。
(今日は、ニュース数多め、コメント少なめにしてみました)
ところでマイスターが現在聞いている英語CDは、会話がすべてストーリー仕立てになっているのですが、
「わたし……できちゃったかも」
「今夜はお泊まりにする?」
「彼、浮気しているんじゃないの? 先週、他の女の人と腕を組んで歩いているのを見たわよ」
などなど、「つい気になって聞いてしまう」展開になっているのがウリみたいです。「教育的には良い例文なんだけど、ずっと聞いているのが苦痛で、すぐ聞かなくなる」という従来の教材とは発想を変えた商品。それはいいのですが、偏った英文ばっかり覚えてる気も…。
うーん……まぁ、とりあえず、まずは聞き続けるように頑張ります。このまま続けたら、そのうち、アメリカ人と痴話げんかできるようになるかも(する予定はありませんけれど)。
今週も一週間、本ブログをごひいきにしていただき、ありがとうございました。
来週も、どうぞよろしくお願い致します。
マイスターでした。
今日現在の内部情報では、早稲田大学は、ある教授(松本さん以外です。)の不正に関する内部通報者を、大学が総力をあげ、学外追放しようとしています。当然、文科省の怒りは↑upですよ。