インドネシアの地震に際し、子供のためのNGOが支援を呼びかけています

マイスターです。

インドネシアの地震の報道は、ショックでした。死者5,000人以上というのは、あの痛ましい阪神淡路大震災を連想します。
阪神地区の方は、マイスター以上に、現地の様子を気にされているのではないでしょうか。

自分に何かできることはないのだろうか。そう思って、毎日を過ごしています。

ところで、以前ブログでご紹介したのですが、マイスターは、子どもとともに途上国の地域開発を進める国際NGO、フォスタープラン協会に登録されている「フォスター・ペアレンツ」です。ささやかではありますが、毎月3,000円を寄付することで、途上国の子供達の未来づくりに関わっています。
(※日本フォスタープラン協会は、少し前に「プラン・ジャパン」と名称を変更しました)

・子供のための地域開発援助を手がけるNGO、フォスター・プラン
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50116379.html

このプラン・ジャパンのwebサイトで、インドネシアの状況が報告されていましたので、今日はそちらをご紹介したいと思います。

【教育関連ニュース】—————————————–

■Plan Japan website
http://www.plan-japan.org/home/

■「ジャワ島中部で大規模な地震が発生。プランは緊急支援を開始しました。」(プラン・ジャパン)
http://www.plan-japan.org/topics/060529kinkyu_java/index.html

■「ジャワ中部地震の最新情報」(プラン・ジャパン)
http://www.plan-japan.org/topics/060602kinkyu_java2/index.html
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プラン・インドネシアとプラン・アジア地域統括事務所は、同じくジャワ島中部のムラピ山で火山活動が活発になっていたため、ジョグジャカルタ市を拠点に避難民への支援を行っておりました。そのため今回の地震発生直後から被害状況の確認と救援物資の支給を迅速に行うことができ、これまでに毛布2,000枚、衛生セット(大人向け786セット、子ども向け667セット)を被災地域の病院やインドネシア赤十字社の緊急医療キャンプに配布しました。プランは2004 年12月のスマトラ沖地震・津波や2005年10月のパキスタン地震での緊急・復興支援などの経験を活かして、国連機関・国際NGO・地元と協力しながら迅速な救援活動を行い、中心的な役割を果たしています。今後以下の活動を進めていきます。

 ●医薬品の支給、保健サービス
 ●幼児・初等教育
 ●安全な水の提供
 ●仮設住宅の設置
 ●子どもの保護  など  

5月31日付「ジャワ島中部で大規模な地震が発生。プランは緊急支援を開始しました。」リリース文より)

被害状況の確認から、毛布や衛生セットの配布まで。緊急に求められるこうした行動を、公的な機関よりも迅速に行う。
このフットワークに、長年多くの国で活動してきた国際NGOの強さを見た気がします。何しろ27日に地震が発生してから、31日に日本語でリリースを出すまでに、既にここまでの活動を行っているのです。
↓この2日後に出されたリリースでは、さらなる支援情報が入ってきています。

地震による死者は 5,800 人を超え、インドネシア政府は被害を受けた家屋の再建や生活の復興資金として、被災者に支援金(金額未定)を支給すると発表しました。被災地域は肥沃な土壌に恵まれているため、被災者は今後もこの地に留まるものとみられます。
プランは現在、避難シェルターの確保、衛生、食糧以外の生活用品(特に子ども向け)の支給に重点をおいており、以下の物資を配布しました。

  ・防水シート  1,443 枚
  ・マット  1,845 枚
  ・マットレス  148 枚
  ・成人用衛生キット  1,205 セット
  ・子ども用衛生キット  339 セット
  ・乳児用衛生キット  200 セット

今後、合計で防水シート13,000枚とマット1万枚を配布する予定です。
6月2日付「ジャワ中部地震の最新情報」リリース文より)

実地で動ける人材と、インターナショナルな支援ネットワークとを両方持っていて、しかも有事には瞬発的にそれらを機能させて問題解決にあたれる。こうした国際NGOは、もはや、社会のために欠かせない存在だと思います。

さて、このように現地では緊急性の高い要素から順次、支援が行われています。
おそらく「フォスター・プラン」以外にも、こうした国際NGOが大勢、現地入りしていることでしょう。

そんな中で、「フォスター・プラン」が独自性を発揮しているのが、教育に関する行動です。

● 教育

インドネシア政府の調査によると、中部ジャワの被災地では 1,211 校の小中学校が壊滅的な被害を受けました。プランの現地スタッフが調査した 68 校でも、約 8 割が壊滅的な被害を受けており、約 25 万人の子どもたちに影響が及んでいます。プランは政府の教育省の緊急支援チームと教育サービスの復興を目指した戦略を協議中です。プランは緊急支援の次の段階として、子どもを中心にした活動に取り組む予定で、仮設学校、子どもにやさしいセンター、保育所の建設、教育施設の復旧を行っていきます。
政府は、被害を受けた小規模な学校を、大規模校に統合したいと考えています。これに伴い、社会福祉省は、新校舎建設用地の整地を担当することになっていますが、予定通りに機能するか疑問の声が上がっています。6月2日付「ジャワ中部地震の最新情報」リリース文より)

この緊急時において、先述したような適切な緊急支援活動を行いつつ、小中学校への被害についても調査を行っているのですね。さらにインドネシア教育省と連携し、教育サービスの復興に関する戦略を立てているところなのだと。
正直、この活動の迅速さには、恐れ入ってしまいます。

非政府組織が持つ大きなミッションは、「国家が何かを行えない間、代わりに適切なサービスを供給する」ということです。
組織体制さえ復旧すれば、政府の方が、継続的かつ広範囲にサービスを展開できるわけで、NGOの役割の一つは、それまでの間、公共サービスの空白地帯を作らないようにすることにあります。
ですから迅速さこそが、彼らを、世界的に知られる国際NGOたらしめている要素なのですね。

災害後、早い段階で小中学校の機能を回復させることには、非常に大きな意味があります。

公立の小中学校というのは、どの国でも、コミュニティの中心部に設置されています。地域住民の人口に応じた校舎や広場を備えていて、コミュニティにとっては集会場としても機能するようになっているのです。
日本でも、災害時の避難場所は大抵、公立小中学校ですし、選挙時の投票も最寄りの学校で行うことが多いでしょう。都市計画の用語で「近隣住区理論」というのですが、私達が暮らす行政区は、1つの小学校を中心にしたエリアとして計画されていることが多いのです。それくらい、学校は暮らしと密接に関わっているのです。インドネシアでも、学校がそうしたコミュニティ機能の一部を担っていることは、想像に難くありません。

当然、ソフト面でも、学校の存在は重要です。

「数ヶ月かそこら学校に行かないで、多少勉強が遅れても死にはしないし、仕方ない。それより病院や、(職場としての)工場などが先だ」と考える方も、世の中には多いでしょう。途上国ならなおさらです。
確かに医療や産業の復興は重要ですが、しかし、「子供が毎日学校に通う」ということの重みも甘く見てはいけないと、マイスターは思います。

学びを途切れさせないということと、毎日ちゃんと家族以外の「社会」に触れてくることは、子供の成長にとって非常に重要でしょう。また家庭や地域にとっても、子供がそこらにたむろしているのではなく、しかるべき場所で社会化の訓練を受けている方がいいはずです。むしろ普段の日常と違う状況下だからこそ、学校のこうした役割が重要になってくるのではないかと、個人的には思います。

また学校は、各種の予防接種など医療行為を施す場にもなりますし、生活に関する有益な情報を広める拠点でもあります。子供達の生活に何か異変が起きた時、学校の関係者なら気づいてあげられることもあるでしょう。

そんなわけで、「フォスター・プラン」は今、インドネシアで非常に重要な役割を担っています。

しかし、お金がない。

以前の記事でご紹介しましたが、「フォスター・プラン」は元々、緊急時の復興支援ではなく、継続的な開発援助を中心とする組織です。

マイスターのように毎月定額を寄付しているフォスター・ペアレンツは大勢いますが、それらの寄付金は定められた別のコミュニティに継続的に使われるためのものですから、今回のインドネシアの復興にはおそらく、そんなに回せないでしょう。

そこでプラン・ジャパンでは、今回の支援に伴い、寄付を集めています。

■「ジャワ島中部で大規模な地震が発生。プランは緊急支援を開始しました。」(プラン・ジャパン)
http://www.plan-japan.org/topics/060529kinkyu_java/index.html

↑上記ページの下部に、振り込みの方法が書かれています。
銀行や郵便局での振込の他、クレジットカードでの寄付にも対応しています。
マイスターもさっそく、専用振り込み用紙を取り寄せることにしました。

またマイスターは、プラン・ジャパンに許可をいただいて、本ブログにリンクバナーを掲載させていただくことにしました。


このバナーから、プラン・ジャパンwebサイトのトップページに飛べます。
トップページの「TOPICS & INFORMATION」欄に、現地の最新情報が掲載されます。このバナーはしばらくの間、本ブログのサイドバーに入れておきますので、被災地の状況、特に教育現場の状況がどのようになっているか、こちらから都度、見ていただければと思います。

本ブログは大学を中心として、教育に関わっておられる方によく読んでいただいております。そのご恩返しというわけではありませんが、学びの機会を奪われた子供達のために、このような形で少しでもお役に立てればと思います。

子供が困っているのなら、どの国の大人が手を差し伸べたっていいはず。
そう考える、マイスターでした。