昨日の記事
・webマスターでも広報担当でもなく
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50184906.html
に関して、コメントやメールをくださった皆様、ありがとうございます!
勇気づけられるメッセージに、元気をいただきました!
うれしいので、調子に乗って、もうちょっとだけ書きたくなりました。
マイスターも、大学という職場は大好きなので、この先、どんな部署に行こうとも、それなりに自分は楽しく、やりがいを持って働いていけると思うのです。
そう言う意味で、大学に転職してきたことは、やっぱり間違いではなかったと感じています。
その点では、全国の大学で働いておられる皆様と同じ想いを持っていると、自分では思っております。
特に現場の窓口で働いている現在は、これまで得られなかった種類の楽しさを感じられています。
自分が働くことで、目の前の学生さんの力になってあげられるというのは、素晴らしいことです。毎日、仕事から、充実感をもらっています。
この先、学生課、就職課、図書館などに配属されることがあっても、それは変わらないでしょう。また、窓口対応のない学務や研究支援部門の他、企画、財務、総務、人事などの部門に行くことがあっても、そこが学校であり、教育のために貢献できているのだと思えれば、そう悲観はしないんだろうなと思います。やっぱりマイスターは、学校で働くこと自体が、好きなんですね。
それに、大学のどの部門も、改革が必要とされている点では、同じです。大学行政管理学会では、あらゆる部門の研究がされていますよね。そういったところで様々なことを勉強し、今後の大学づくりに貢献できるなら、日々の仕事からやりがいは得られるのでしょう。
ただ、
○学生さんは、企業は、社会は、今の大学に満足しているのだろうか?
○今までのやり方で、大学が社会の他のサービスと連携したり、競争したりできるのだろうか?
○日本の大学教職員が、研究や教育を担い支えるプロになれるのか?
といったことを考えるとやはり、日々の業務に喜びを感じているだけではいけないのかな、と思うのです。
そうすると今度はその後、自然に
「じゃあ、自分はどうやってこうした課題に貢献していくんだろう?」
という、自分のキャリアプランのことに思いがいくのです。
そして上記の理由プラス、
「ここで自分は成長できるのか?」
「この大学に何かあった時に、他の大学、他の企業でもやっていけるのか?」
というところにも当然、考えが及びます。
(そういう時代ですからね)
昨日の記事では触れなかったのですが、実はマイスターが広報プロデューサー時代に企画を担当していたある企業のコンテンツが、先日、某webサイト評価会社が主催するコンテストの、「企業マーケティング大賞」というのを受賞したのです。
マイスター、飛び上がって喜んだのですが、その後すぐ、暗い気持ちになりました。
企業webサイトプロデュースの世界なら、大きな勲章になるであろうこの賞も、今の職場では、ほとんど評価の対象にならないだろうと、すぐ思ったからです。
実はマイスター、こうした受賞は初めてではなく、幸運に恵まれ、以前にも別のいくつかの仕事が、こうした賞を受賞しているのです。受賞しているのですが、全部、「転職後」のタイミングなんです。転職前に手がけた仕事が、転職後に賞を受賞しちゃったんです(うれしいけど、困りますよね、こういうの)。しかも、複数。
以前受賞した時には、大学の職場の職員限定オンライン掲示板にさりげなく「こんなのをもらいました」と書き込んでみたのですが、残念ながら職場の皆さんはノー・リアクションでした。
多分、どうリアクションしていいか、困っちゃったんだと思います。一介の若手教務課員が、広報の賞をもらったからって、だからどうした、何も変わらないよ、ということなんだろうなぁと思います。
仮に入職する前に受賞していたとしても、マイスターの年齢から考えて、やっぱり一番人手の足りていない教務課からスタートすることになるのは変わらなかったでしょうし、今、こうした賞を受賞したからといって、そういう部門に異動できるわけでもない。
今の職場で働いていくなら、受賞は今の自分にとって「意味がない」のだろうと思います。
そういえば広報とは別ですが、学生時代の調査を元にしたアメリカの学校に関する研究論文が、建築系学会の査読審査を通って学会論文集に掲載されたこともありました(会員数3万6千名という大きな学会の論文集なので、マイスターのような若造の論文を掲載していただけたのは、とてもラッキーで、光栄なことなんです)。
しかしそのときもやはり、「事務職員に対する評価対象には該当しない」ということで、教員や学生の論文発表を報じる学内広報誌にも掲載されず、誰からも評価を受けることなく、終わりました。
ちゃんと大学の職場の肩書きを入れて掲載されたので、大学の学内広報誌の末尾にでも載せてもらえるのかな…と、自分で勝手に思っていたその論文集は、実際には学内の誰にも知らされることなく、今、ひっそりと自分のデスクの引き出しの中に眠っています。
そしてネット広報分野での受賞歴は、もはや担当プロデューサーでない以上おおっぴらにこのブログなどで公開することもできず、さらに学内の誰からも評価を受けないまま、マイスター自身からもそのうち忘れられることになることでしょう。
今回の受賞の報を受けた後、こんな現在の自分と、この先の自分の将来を想ったら、つい、昨日のような記事を書きたくなってしまったわけです。(個人的な「ぼやき」になってしまっていたと思います。おつきあいくださったみなさま、ありがとうございます)
自分は、大学職員として、この先どうやって生きていくのか。
マイスターの悩み方は特殊ケースなのかもしれませんが、でもテーマ自体はたぶん、マイスターだけの話ではなく、今現在、全国で大学職員として働いている皆様に共通する問題なんでしょう。職場として今後、大学を選んでくる若者&他業種からの参入者の皆様にとっても、小さからぬ関心事だと思います。
どの部署に行っても、日々の満足は得られるだろうけれど、結局は数年で異動。
しかも、行き先や、異動のタイミングは知らされない。専門性を高めるような異動になるよう配慮してもらえるわけでもない。
そもそもプロとして専門性を発揮するほどの仕事は、事務職員ではなく教員の裁量。
(でも教員は大学経営のプロじゃないし、研究と教育に、従来以上の貢献が期待されている。大学経営に関することは「雑務」だと言って憚らない)
これで日本の大学が高度化するわけがありません。
大学改革の制度の善し悪しがどうという以前に、それを担う「人」がついてこないし、今後、集まらないんじゃないかと思います。
実際、「大学職員.network」のメンバーの日記や書き込みを見ると、マイスターなんかよりもずっと高い意識を持ち、日本の大学のために尽くそうと努力している方々が、周囲からの理解を得られず、成し遂げた仕事に対する評価も与えられずに、悩み、苦しんでいるのがわかります。
おそらくマイスターがこんな記事を書く何年も前から、自分のキャリアに悩む大学職員は、全国そこかしこにおられたのです。
悩みながら、努力を積み重ねてこられた方もいれば、
組織のおかしさ、ばからしさの前に意欲を失い、段々と自分の生活のことばかりを考えるようになってしまった方もいると思います。
いずれにしても、彼らは、大学から放置されてきた存在です。
彼らの処遇をこのままにしていたら、日本の高等教育は、いつまでたっても変わらないままです。
缶ビールでひとり、ささやかに受賞を祝いながら、
日本の大学の将来について、思いを巡らざるを得ない、マイスターなのでした。
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(大学職員のキャリアに関する他の記事)
・架空大学 求人情報 【優秀な事務職員求ム!】
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50152317.html
・職員に対する教員の言葉から、思うこと
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50183805.html
・大学職員が実務英語を学ぶメリット(2):大学職員に、(わかりやすい)自信を付ける
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50178559.html