架空大学 求人情報 【優秀な事務職員求ム!】

マイスターです。

まずは、以下の求人情報をご覧ください。

[求人(1)]———————————————————-

【学校法人架空大学】
(本部:東京都港区 六本木キャンパス)

【事務職員募集(新卒)】

■雇用形態:専任職員
■採用人数:若干名
■募集分野:一般事務
■応募資格:4年制大学を2007(平成19)年3月に卒業見込みの方

■給 与:本学規定による
■諸手当:扶養手当、住居手当、通勤手当、超過勤務手当等
■昇 給:年1回

■その他

・給与は年功序列制を採用しております。
 今後、変える予定は今のところございませんので、ご安心ください。

・雇用は、終身雇用制となっております。
 今後、変える予定は今のところございません。

・過去50年間の伝統と実績により、社会から高い信頼を受けております。
 現在のところ、安定した経営状況です。

・現在のところ、賞与は民間企業と比較しても極めて高い水準にあります。

・給与欄の「本学規定」ですが、
 学内規則により入職いただくまではお見せできかねます。

・事務職員の離職率は0.2%です。
 極めて働きやすい環境ですので、離職する職員はほとんどおりません。
 ほぼ確実に、定年を本学で迎えられています。

・繁忙期でない限り、ほとんどの職員が定時に退社します。
 ご家族を大事にされる方、自分の時間を大切にされたい方にも安心です。

・業務内容は、多岐にわたっております。
 人事、財務・経理、総務、広報、入試業務、
 教務、学務、学生対応、就職支援、研究支援などなどなどが、その一例です。
 ただし、いずれの業務に配属されるかは、お知らせできません。

・数年おきにローテーションされますので、
 スペシャリストになっていただく必要はございません。
 組織内のことに詳しい、ゼネラリストとしての働きを期待します。

・本学内部でのみ通用する業務知識がほとんどですので、
 入職されるまでに、特定の業務の専門知識をつける必要はございません。

・資格をお持ちの方は、その旨、履歴書に書いてくださっても結構ですが、
 人事系、法務系の資格を除いては、基本的にあまり考慮しません。

・大学に配属されるとは限りません。
 大学と同一敷地内に併設されている付属の中高一貫校の事務のほか、
 宇都宮と八王子に立地している系列付属校に異動になる可能性もございます。

・学部卒業者の方も、大学院卒業者の方も、扱いに差はつけません。
 なんとなく気分的に、高学歴な方のほうが好きですが、
 でも、仕事内容はみんな同じですし、昇給にも差は付けません。
 どなたさまも不公平感を損ねることなく勤務いただけますので、
 職場のチームワークが損なわれることもございません。
 (なお本学では、今のところ大学院卒業者採用実績はほとんどございません)

・留学制度などはございませんが、夏期語学研修制度はあります。
 しかし、英語を必要とする業務は、本学には基本的にございません。

・周囲との和を大切にする、協調性の高い方をお待ちしております。

[求人(2)]———————————————————-

【事務職員募集(既卒・社会人経験者)】

※本学では、厳しい社会情勢の中、より専門的な業務を担える人材が必要であるとの考えから、社会人経験者の皆様を積極的に採用しております。
みなさまの専門性を、ぜひ、大学という学問の府を支える場で活かしてください。

■雇用形態:専任職員
■採用人数:若干名
■募集分野:一般事務(新卒と同様)

■給 与:本学規定による
■諸手当:扶養手当、住居手当、通勤手当、超過勤務手当等
■昇 給:年1回

■その他

・これまで勤務されていた業種、職種を考慮し、「最初の配属」を検討する材料とさせていただきます。

・しかしその後は、他の新卒入職の方と同様、本学の人事ローテーションの範囲内で異動をしていただきますので、ご了承ください。

・入職時、配属の希望を伺いますが、実際の配属は社会人経験者であっても他の職員と同じように行いますので、ご期待に添えない場合もございます。

・なお、いわゆるITベンチャー企業や外資系金融機関などにお勤めの方、学生時代に起業を経験された方などを特に歓迎する、と本学weサイトにて理事長が述べておりますが、実際には、職歴5年以内の方はすべて一律に「第二新卒」という扱いとさせていただき、配属も新卒社員と同様に行いますので、あらかじめご了承ください。

・何よりも周囲との和を大切にする、協調性の高い方をお待ちしております。

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以上です。

いかがでしょうか?

上記は、マイスターが妄想ででっちあげた、架空の大学の求人情報です。

架空の大学の話ではありますが、しかし、
そう大きく現実と違っていないんじゃないかとも、思うのです。

業界の間での有名サイト、「大学職員への道」では、多くの大学の求人情報を閲覧することができますよね。
大学職員という仕事に関心を持っておられる方は結構、多いのかも知れません。

■大学職員への道
http://www5a.biglobe.ne.jp/~mochikin/

今や私達は、年間を通じて、多くの大学の求人情報を見ることができます。

しかし大学が公開している求人情報には、
業務や働き方、昇給や昇進の実態などにについて、あまり詳しい説明はありません。

もし、本当にリアルに書いたら、上記の「架空大学」のような記述が出てくる大学も、実は少なくないのではないでしょうか。

他の職業と、大学職員と、どちらを選ばれるか悩んでおられる方も、世の中にはひょっとしたらおられるかもしれません。

若い方、
野心のある方、
ベンチャー気質な方、
日本の高等教育を変えてやろうと思っておられる方…

マイスターは、こういう方が大好きです。

また、他の業界で成果を上げた後、教育への熱い想いを抱いて大学業界に飛び込んで来られる方も、今では少なくないと思います。

個人的には、大歓迎です。

でもそういう方々だからこそ、実際に大学職員になって、大学の中で働いてみたら、ガッカリすることも多いのだろうなと思うのです。

上記の「架空大学」の事例は、実際にマイスターがこれまでに研修などで知り合った転職組の職員の方や、大学院卒の職員の方などとお話ししたことを、モデルにしています。(もちろん、マイスター自身の体験も含まれています)

何をメリット・デメリットと考えるかは人それぞれですが、実際にお会いした多くの方のお話を聞く限りでは、現在のところ日本の大学というのはどこも、だいたいこういう職場なんじゃないかと思えるのです。

それを知った上で、業界に入って来る方が、後悔はないかと思います。

また、大学に勤める私達も、普段自分がこんな職場にいるんだってことを、認識しておくことが大切なのではないでしょうか。

というわけで今回は、そんな個人的な考えを、ちょっとシニカルに求人票の形で表現してみました。
でも、「本学のSD活動」みたいな形式ばったレポートを読むより、こちらの方が100倍わかりやすいし、現状をダイレクトに理解できるかと思いますよ。

かつて「出る杭求む!」という求人広告を出して、知られた会社がありました。
当時の東京通信工業、現在のソニーです。
この、ソニーが始めて出した新聞求人広告のコピー、ご存じの方もいらっしゃると思います。

シンプルでイメージしやすく、それでいて、それまでの会社が持っていなかった「旧い社会への挑戦」の気概に満ちているコピーですよね。

こんなコピーで求人広告を出す大学があったら、それだけでいくらか救われた気になる日本の高等教育関係者も、大勢いるだろうにな、と思うのです。

なぜ、現実にはそうなっていないんでしょうね…。

そんなことを、チョコレート(義理)を食べながら考えた、マイスターなのでした。

6 件のコメント

  • 私も大学職員で人事部門で採用を担当していますが、大学職員はマイナーな職業というイメージがついています。担当者として考えるに、大学職員自体、社会から低競争力な分野として認知されている傾向にもあり、大学が求人票を送り、ホームページに掲載するだけの単独公募では、集められる人数にも限界があると感じています。
    ですから、今、とある手法を用いて現状打破を出来ればと考えています。

  • いつも興味深く拝読しております。上記の0.2%の1人です。私の実感だと入職5年後の離職率は5%ぐらいあったように思いますが、一般的にはそんなものかもしれませんね。私は5年ももたなかったのですけど、やはり「周囲との和を大切にする、協調性の高い方」というのが、かなり高いハードルだったようです。(1秒も慰留されませんでした(笑)「だった」という過去形表現もかなり怪しいところです)
    マイスターさんもいろいろおありだと思いますが、マイスターさんのような人にこそ頑張っていただきたいと思います、というか期待しております。今後のブログも楽しみにしています。それでは。

  • なんだかんだ「改革だ!」と声高に叫んでいても
    内部調達(内部生しか採用しない)オンリーの大学って、
    まだまだ多いように感じます。
    私個人的には銀行や病院などと同様、総合職・一般職など
    職種別応募が良いのではないかと思うんですが・・・。
    総合職・・・アドミニストレーターとしての幹部候補生
    一般職・・・事務処理・窓口業務等に当たる
    総合職は、個人の適性を判断した上で、最終的には専門部署における
    スペシャリストとして活用できるように養成すべきでしょう。
    もちろん総合職と一般職で、待遇にも差を設ける必要はありますし、
    業務量にも差があって当然かと思います。

  • 大学経営はコンパクトであるべきです。場合によっては一般職は
    派遣会社との連携による雇用体制にシフトするのもアリかと感じます。
    なんでもかんでも自前調達ではなく、バランス感覚に富んだ内部と外部の
    使い分けが重要になってくるのではないでしょうか。。。

  • いつも興味深く読ませていただいております。
    私も某都内の私立大学に勤めております。
    このブログをウチの上司にも読ませてやりたいといつも思っています。
    ひとつだけ確認ですが今回の記事の[求人(2)]は
    「応募資格:4年制大学を2007(平成19)年3月に卒業見込みの方」
    では話が成り立たなくなってしまうのではないでしょうか。
    修正が済みましたらこのコメントは削除していただいてかまいません。