全国的には三連休ですが、シフトの関係で土曜も月曜も出勤のマイスターです。
大学職員、夏とお盆の休みは長いし、毎日帰りは早いのですが、出勤日は平均的な会社員より多いかもしれません。
【教育関連ニュース】——————————————–
■「教員評価で、人事や給与への反映を見送る方針(栃木)」(読売オンライン:教育)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/20050718wm01.htm
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教員の人事評価については、過去の記事で「郁文館学園」の取り組みを紹介しました。
■『さあ、学校をはじめよう―子どもを幸福にする青年社長の教育改革600日』
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/25081586.html
郁文館の渡邉理事長は、起業家らしいリーダーシップで教員評価を導入していきましたが、公立学校ではそうもいかないようです。
県教委は15日、来春から導入する教職員の評価システムについて、当面は、評価結果を人事や給与に反映させない方針を固めた。この日開いた「教員の評価に関する調査研究会議」(委員長=佐藤全・日本女子大教授)で、「教員との信頼関係が崩れる」「時期尚早」との意見が相次いだため。
(上記、読売オンライン記事より抜粋)
これまでと異なる制度を入れるわけですから、「時期尚早」はまだわかります。
しばらくの間、試験導入期間をはさむことも、必要でしょう。
いったい、どれだけ待てば「時期尚早」でなくなるのか、という疑問はわきますが。
月一回の評価、年一回の評価、どちらにしても、2年も実験すれば十分じゃないかな、というのがマイスターの感覚ですが、どうなのでしょう。
もちろん、教育に対する信頼が失墜している現状認識も勘案した上での2年間です。
教員との信頼関係が崩れる、という意見は、きっと全国で使われるフレーズでしょうね。
一般企業でも、能力主義、成果主義の人事を導入するときには、「社内の信頼関係が…」という意見が聞かれます。
聞かれますが、社長の経営判断で改革を断行できるのが健全な企業ですので、たいていは、導入されます。
導入した結果、
「やっぱりやめよう、元に戻そう」
「改良して続けてみよう」
「ちょっと合わない気もするけど、時代の趨勢だからもうちょっとやってみよう」
などと、その後の行動は分かれると思います。
それも、健全な経営判断だと思います。
ちゃんと実践した上で、自分の組織にはあわないな、と考えたら、やめればいいのです。
自分の組織にあうように毎年、制度をアレンジしながら使っていっても、いいんだと思います。
「断固反対!」みたいな意見のみが伝えられ、こうした試みが行われないままなのには、がっかりです。
教員の世界の組織ガバナンスは、特殊だとたまに思います。
当事者ではないので、あまり詳細なことはいえませんが、組織のマネジメントという発想がないのかな?…と、思ってしまうことはあります。
行政判断と、現場の当事者、という2者しかいないのかも知れません。
校長は、単なる、行政の伝令になってしまっている気がします。
労働組合が強いから、という意見も、よく聞きます。
教員の生活を守るために、労組が積極的に活動しているのは、別に悪いことでもなんでもないと思います。
ただ、もはや
<労組の意向=日本の教育>
という図式が成り立っているように思えて、これは、健全ではないと思います。
組織として、強すぎるのではないでしょうか。
企業の労組も、積極的に活動するところはあります。
しかし自動車メーカーの労組は工場や研究所の待遇について運動することはあっても、新しい車のデザインや性能を自分達で決めさせろとはいいません。
それは、いくらなんでも、横暴というものです。
この、一見横暴に思えることをやってしまっているのが、教育の世界なのではないでしょうか。
もっとも例外として、安全性の欠陥などを、自動車メーカーの労組が追及するようなことは今後、起こってくるかもしれませんね。
そうした行為は、消費者も含め、企業のステークホルダーの利益を守ることになりますので、マイスターは支持します。
教員労働組合も、そういう運動をしているのであれば支持できるのですが、どっちかというと教室で起こる問題については、関心がないようです。
(自動車メーカーで起こる問題が、ほとんど経営陣の判断ミスによるものであるのに対して、教育の現場で起こる問題は、組合員の資質に起因する問題であることが多いから、でしょうか?)
現場に立つ教員に対して現在、一般市民の信頼が崩れてきているのは確かだと思います。
評価を給与に反映する、それくらいのことはやってもいいんじゃないかと、一般市民のマイスターは思います。
「評価に納得がいかないから、自分の授業を一般に公開してやる!
自信があるから、誰でも見に来ていいぞ!
保護者からの評価を見てみろ校長!」
とか、こういう動きが教員から出るようなら、大歓迎です。
また、
「一回、行政に命令されて制度を導入すると、なし崩し的にその後も制度は続けざるを得ない。
だったら、命令される前に、自分達で自主的に評価制度を始めてみよう!」
という声も、大歓迎です。
こういう姿勢がなく、評価を否定するだけなら、それはよりいっそう、教育への信頼を貶めることになるだけじゃないかなぁ?とマイスターはちょっと思うのです。
みなさんは、どうお考えですか?