教員養成大学院卒業者は、優遇すべきだ

6月らしい、じめじめとした日が続きますね。
マイスターの部屋は窓が一つで風が通らず、ベランダもないので洗濯物は室内干し。湿気対策が欠かせません。
除湿機は24時間フル稼働状態ですが、いつでも水、たまりまくりで、朝起きると必ず満水です。

大丈夫か、俺の部屋。

さて、今日のニュースです。

【教育関連ニュース】——————————————–

■「教員養成大学院に「待った」 規制改革会議」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/politics/update/0623/004.html?ref=rss
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 -同会議が問題視しているのは、中央教育審議会(文科相の諮問機関)が同大学院修了者について給与や採用面で優遇しようとしている点。質問状は「教員多様化が課題のなか新たな参入障壁になりかねない」「優遇は教員への道を狭める逆行」などと批判している。-上記記事より引用

(参考)
「教員養成へ専門大学院、指導力不足に対応 中教審が構想」(Asahi.com)2005/6/7
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200506060301.html

「教師力向上に向けた専門職大学院を中教審が構想」(Benesse教育ニュースハイライト)
http://benesse.jp/education/newsflash/050616.html

教員養成大学院は、絶対に必要です。

「専門職大学院を充実させ、日本の職業人をハイレベルに!」

という試みに、教員が入ってなくてどうする!
日本を元気にするためには、やる気のある教員の能力を伸ばして、教育現場のリーダーになってもらわなければ!

で、

大学院を作るなら、給与、待遇、仕事内容にある程度の格差をつけるのは、とても大切なことです。

私立の大学院で学ぶ場合、おそらく1年間で100万円は、最低でもかかるでしょう。

働きながら、あるいは仕事を辞して大学院に通うのですから、学んだことに対する対価を保証しなければ、大学院進学は非常にリスクの大きな選択肢ということになります。

「教職修士をもった教員がどの学校、どの学年にも1人くらいはいる」

という状況が、日本の教育レベルアップのためには理想だとマイスターは思うのです。
しかし進学に対する経済的リスクが高いと、進学すること自体が一般的になりませんから、そんな大きな国家的目標も、絵に描いた餅になってしまいます。

したがって、専門職大学院卒業者は優遇すべき!です。

規制改革会議の言うことは、一見、筋が通っているようですが、なんだか「逆じゃないか?」と感じる論理です。

そもそも「教員養成大学院」の計画では、学部段階で教員免許を取っていない学生を対象とした3年間のコースを設けることを検討することになっています。
幅広い人材を教員に登用する、という国家政策上の目的からです。
つまり他の業界から教員を目指す人のためにこそ、教員養成大学院があるのです。

で、例えば、専門職大学院の草分けとなった法科大学院(ロースクール)ですが、あれも、多様で豊かな法曹を育てることが、そもそもの目的でした。

で、ですね、

「法科大学卒業者の多くを、司法試験に合格させる」

という前提があるから、他の業種から、仕事を辞して法科大学院に進学する選択肢が出てくるわけですよ。

高い学費を出して安定した仕事を辞して大学院に通っても、何もメリットが保障されないのだったら、進学できませんって。

ね、逆でしょう?

規制改革会議の主張は、実際の経済行動からすれば、なんだかおかしいと思うのですが、みなさんはどうお考えでしょうか。

司法試験の有無という大きな違いはもちろんあります。

しかし、進学のリスクが大きいという点では、教員養成大学院だって状況は同じです。
他業種出身者のためにこそ、卒業生は優遇すべきなんですよ。

元々教員である人に比べて、進学すること事態のリスクは非常に大きいのですから、給与・待遇にある程度の保障をしてあげることで、そのリスクを減らしてあげないといけないんです。

というわけで、職場の同僚が「教員養成大学院」に通うと言い出したら、応援してあげてください。

すばらしい教育を一緒につくりましょう。