昨日、隠れたニーズの発見について書きました。
それについて、ひとつ、おもしろいwebの裏技をオススメしましょう。
「Alexa Toolbar(アレクサ・ツールバー)」というツールをご存知でしょうか?
私の知る限り、2年前にはもう存在していたので、既にお使いの方もいらっしゃるかと思います。
アレクサ・ツールバーは、Internet Explorerに組み込んで使う、プラグインの一種です。
(Internet Explorerは、Windowsのパソコンを買って、さぁホームページを見るぞ、ってときに使うあのソフトですね)
実際にお試しいただ方が早いですね。
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アレクサ・ツールバーは、以下のページから無料でダウンロードできます。
※必ず、Internet Explorerでアクセスしてください
<アレクサ・ツールバー ダウンロードページ>
http://download.alexa.com/index.cgi?p=DestTopSites_W_b_40_T1
ページ右中央にある、「Install Toolbar」というボタンをクリックし、ダウンロードしたファイルを開いてください。
インストールが始まります。その後は、「Next」「I Agree」などを選択し、インストールを進めてください。
さて、インストールが完了しましたか?
インストールが無事に完了すると、ウィンドウ上部、URL表示欄の下あたりに一行「Alexa」などと書かれたエリアが増えていると思います。これが、アレクサ・ツールバーです。
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準備完了。
では手始めに、このサイト↓を見てみてください。
これは誰でも知っているソニー株式会社の、公式サイトです。
アレクサ・ツールバーのところに、
epson.co.jp
Hitachi
Fujitsu Japan
Jun
:
:
などと、青い文字でリンクが浮き出ているのがわかるでしょうか。
なんとこれは、
「ソニーのwebサイトを見た人の多くは、エプソンや日立、富士通のwebサイトも見ている」
という情報なんです。
アレクサという機関が、全世界のユーザーのデータ通信量を調べて、そこから出しているデータです。
人間の判断は一切入っておらず、純粋に世界中のユーザーのデータ量をもとに算出された結果ですが、見事に、同業他社が出てきています。
ね、面白いでしょ?
ところでソニーのライバルというと、どこを思いつきますか?
AV機器なら松下電器、パソコンならNECやDELL、ゲームなら任天堂でしょうか。
でも、webサイトの世界に関しては、一番ユーザーを取り合っているのはエプソンなんです。
理由はいろいろと考えられますので、それぞれサイトを隅々まで見て、仮説を立ててみると面白いかもしれません。
ではいよいよ、大学のwebサイトを見てみましょう。
http://www.u-tokyo.ac.jp/index_j.html
これは、東京大学のwebサイトです。
ユーザーがかぶっているwebサイトはどこでしょうか?
www.kyoto-u.ac.jp
www.tukuba.ac.jp
www.titech.ac.jp
:
などとリンクが並んでいますね。このリンクをクリックしてみるとわかりますが、順に京都大学、筑波大学、東京工業大学です。
東大のサイトを見る人の中には、京大や筑波大、東工大のサイトを一緒に見ている人が割合として多いのです。
ところが、京都大学のサイトでアレクサ・ツールバーの結果を見てみると、内訳が若干違います。
http://www.kyoto-u.ac.jp/
Osaka Univercity
www.doshisha.ac.jp
Univercity of Tokyo
:
上記のようなリンクが出ましたでしょうか。
ご覧の通り東大は4番目で、一番ユーザーがかぶっているのは大阪大学、次は同志社大学です。
そのサイトを訪れる全ユーザーのうちの上位のランクを出しているので、このようなズレが生じます。
東京大学のサイトを訪れる人は、理系の研究大学、というところを目当てに来ている人が多く、
京都大学のサイトを訪れる人は、「京都にある大学」ということをキッカケに来ているのかもしれない、
なんて仮説が、例えば立てられるかも知れませんね。
このアレクサ・ツールバーをつけて、色々な大学サイトを見てみてください。
理系の単科大学なのに、文系の大学がライバルに入っていたり、
なぜか海外のライバルが多い大学があったり、
大学ではなく、企業や役所とユーザーがかぶっている大学があったりと、
色々な事例が見られると思います。
こうした結果を実際の受験者の併願校データや、研究者からの資料郵送願い、大学ブランドランキングなどと並べてみることで、大学webサイトの戦略を立てるひとつのヒントになるのではないでしょうか。
ちなみに、アレクサ・ツールバーにはこの他にも様々な機能があります。
色々といじってみてください。マーケティングに役立つ面白いデータも見られますよ。
広報、入試、就職関係の方などには特に、アレクサ・ツールバーの活用をオススメします。
※活用時の注意点
・Alexaの結果は「データ通信量」なので、大きなデータを何かの理由でやり取りした場合は、その結果も反映されてしまいます
・Alexaのライバルサイト表示には、ちょっと古いデータが残っていることがあるようです。
(何ヶ月も、ライバル順が変わらなかったりする…)
「最新のマーケティングデータ!」というよりは、参考程度としてお使いいただくのがいいかと思います。