■女性研究者の割合12% 男女共同参画白書(Asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0530/005.html
大学やシンクタンクに、女性研究者が少ないという記事。
「教師や親が研究者になることを期待していない」と感じる女性が多いことや、身近に女性研究者が少ないために職業像を描けない」といった内閣府のコメントを紹介しています。
これは、確かに問題だ!
そこで、この記事のリソースとなっている「男女共同参画白書(概要版)平成17年版」を見てみました。
■男女共同参画白書(概要版)平成17年版 第8章 教育分野における男女共同参画
http://www.gender.go.jp/whitepaper/h17/danjyo_gaiyou/danjyo/html/honpen/index.html
女性研究者が少ないのも問題ですが、「男女の専攻分野の偏り」も著しいとのこと。工学を専攻する女子学生は、16年には工学専攻の全学生の10.6%だそうです。
こういった偏りが出るのは仕方がない部分もあるのでしょう。
でも、そもそも高校生のときに、女性の皆さんが理工系という進路をはなっから敬遠しているんだとしたら、それはもったいないことだと思います。
なんとなく文系に、とか、数学がいやだから文系に、とか、女性は文系よね、みたいな考えをもたれてたら、もったいないなぁ。
親の偏見とかも、こういった部分では、いまだに根強そうですよね。
ちなみに私マイスターは、大学院時代に女性の先生に師事していました。
とても頭が切れる、酒好きの若い先生でした。
(っていうか酒豪でした。真っ赤なBMW乗り回してました。よく事故ってました…)
私にとって、「恩師」といえば、この先生です。
そんな経験があるので、女性研究者ということで、あんまり違いを意識したことはありません。
でも、卒業した大学および大学院も、今勤務している大学も、数でいえばやはり男性が圧倒的に多いですね。
もっとも、マイスターは理工系の学部出身(大学院は学際系)なので、それも関係していると思いますが。
■本務教員総数に占める女性の割合(初等中等教育、高等教育)
http://www.gender.go.jp/whitepaper/h17/danjyo_gaiyou/danjyo/html/honpen/chap01_08.html
で、一緒に掲載されていたのが、この図。
大学教員にも男女格差はあって、是正されるべき大きな問題だけど、中学、高校の現場の方もかなりひどいですね…。
中学、教諭の4割は女性なのに、校長は4.5%ってどうなのでしょう。
小学校も、女性教諭が65.1%なのに対して、校長18.0%は少ない。
この図を見ると短大なんて女性教員ばっかりなのに、学長になるのは14.5%。
学長のパーセンテージだけみると「大学よりは女性が活躍している!」って思いそうになるけど、良く考えるとひどい数字ですね。
■職務の級別女性国家公務員の割合(行政職1)
http://www.gender.go.jp/whitepaper/h17/danjyo_gaiyou/danjyo/html/honpen/chap01_01.html
ついでに、比較対象として、国家公務員の男女比。
おいおい、公務員ともあろうものが、エラくなるほど女性が露骨に少なくしてるってのは一体?
市役所なんかにいくと、職員さんの男女比がかなり近いなー、って感じるのですが、あれは「地方公務員」。
公務員=女性にやさしいというわけではなく、国家の中枢を担う、出世競争バリバリのところでは、やはり女性は冷遇されているようです。
大いに問題ですね。
■各種メディアにおける女性の割合
http://www.gender.go.jp/whitepaper/h17/danjyo_gaiyou/danjyo/html/zuhyo/G_31.html
っていうか、あれれ?
Asahi.comさん、女性研究者の「絶対数の少なさ」を指摘するなら、新聞記者の女性の割合が11.7%ってのも、書かなきゃいけませんぜー。
「『教師や親が新聞記者になることを期待していない』と感じる女性が多いことや、身近に女性新聞記者が少ないために職業像を描けない――などの背景があると分析」
とか、書けちゃうやん。
実に、ためになる記事でした。