10歳で進路が決まるドイツ

アメリカのことばっかり紹介していると、ただのアメリカかぶれと思われるので、とっても特徴的なドイツの教育制度をご紹介。

■ドイツの教育制度
http://steiner.blume4.net/d_schule.html

リンク先は、「シュタイナー教育」を紹介するサイトですが、
ドイツの教育制度の解説図が一番わかりやすかったので、ここに紹介させていただきます。

図を見ていただくとわかりますが、何しろ制度が複雑!

注目すべきは、10歳の時点での進学先選択。
この時点で、大学に進学できない子どもが発生するのには、日本人からすると驚きです。

なお、この図にある「シュタイナー学校」と「総合学校」は少数派。
大学への一般的な入口となるギムナジウムにも、10歳時点での成績によっては、進学できないのです。
10歳で、自分の将来の方向性が決められてしまうというのは、ドイツの特徴です。
この制度には国内で批判も多く、そのために新設されたのが総合学校というわけです。

さらにさらに、大学入学資格であるアビトゥーアを受けられるのは、一生に2回だけ!
日本の浪人生どころのプレッシャーではない…と想像するのですが、リンク先のページの解説によれば、ドイツでは学歴偏重社会ではないので、特に本人の評価には影響しないとのこと。

(でも、社会人になってから大学で学びたい人とかはどうすんだ、とか思いますが)

こんな独特のシステムを持つドイツですが、この教育の成果について、さらに議論を招くような事態に陥っています。

OECDが実施している国際学習到達度調査に、Programme for International Student Assessment(PISA)というものがあります。
OECD加盟32カ国、26万5,000人の15歳の生徒を対象に行われています。

この2000年度の調査結果で、ドイツは「読解」(総合能力)で21位、「数学」と「科学」でそれぞれ20位と、科学技術国としてはなんとも不本意な結果を出してしまったのです。

国内ではこの結果は非常に注目され、当時の国内の新聞では「わが国はもう2流なのか?」のような刺激的なタイトルが毎日のように並んだと聞いています。

早い進路振り分けときめ細かな学校システムで、優秀なマイスターを養成することに関して成果をあげてきたドイツ。
しかしこの国でも、教育は見直しの時期に入っているのかもしれません。